随分時間が経ってしまいましたが、そろそろ、徐々に、応募から採用までの流れを埋めて行きたいと思います。この記事を書いているのは着任後の2018年10月18日ですが、投稿の設定はちょうど1年前のその頃に設定してあります。
応募のためのまともな情報は、きちんとした機関や常識的な優れた方々が書かれている正しい情報をご参照ください。たとえばですが、
国際機関へ応募される方へ by 外務省国際人事センター
https://www.mofa-irc.go.jp/work/index.html
国際機関で働くには? by 放射線ホライゾン
https://rad-horizon.net/vienna-reports/73-work-in-international-organizations
ウィーンの国際原子力機関(IAEA)の法務部で働いた経験
http://judiciary.asahi.com/corporatelaw/2016052700001.html
などです。私はJPOのことは全くわかりませんし、日本の大学を卒業する(特に理系、学部卒。博士は除く。)学生さんが、卒業後の進路としてなんの経験も積まず専門性も持たずに国際機関のプロフェッショナル職へ応募されることにはちょっと否定的です。まず、なんでも良いので自分が少なくともこの分野については専門ですと言える分野・技術・学術を身につけてから、それを国際社会で役に立てるにはどのような職があるのかという視点で動き始めてほしいと思っています。もともとの分野が国際協力や国際関係だった方は、また異なると思いますが、少なくとも理系に関しては、そのように思っています。極端に言えば、50歳になってからでも構わないわけです。もちろん、人によりますので一般的にという話です。
実際、私が所属する組織の年齢層は、とても高いです。定年前の何年かを、最後に国際協力に身を置きたいと考えられているのかと思います。もう一つのパターンは、東欧や発展途上国からの若い方々です。本人は、非常に高い教育を受けてきたものの自国にしっかりとした学術基盤や、産業を持たないために就職先がないというようなケースです。そのような人たちの中で、自分が何をできるのか、私は今も考え続けています。
また、IAEAの場合、プロフェッショナル職は7年が任期の上限で、かなり厳密に運用されているようです。じゃあ、7年後、あなたは何になりますか?どこへ転職しますか?そのこともよく考えてください。
さて、公募への応募の話に戻ります。公募やポストの探し方は、他の情報に譲ります。私は上述のような考えにより、プロフェッショナル職の場合、ポストを探しているようではダメで、ピンポイントでこのポストに行きたいというものがあるくらいが適切かと思います。私は、昔、博士号を取得する前に何度かIAEAのサイトで公募情報を見ていましたが、自分がどのようなポストに応募できるのか、さっぱりイメージがつきませんでした。内容を見るとどれも適度に面白そうだったのです。しかし、今回、公募情報を見たときに「このポストに応募したい。これは、やりたいことだ。」とはっきりと思いました。
応募するのは自由です。手当たり次第に応募する人もいます。けれども、それで100人を超えるような候補者の中から残ることができますか?そういう意識を持ち、自分に適したポストにキラリと光る適した応募ができる日本人がたくさんいれば、結果的に日本人職員が増えるのではないかと思っています。自分がそうだったと言ってるわけではなく、そうあってほしいと思っています。
自分自身がその分野で既に名の知れた存在であれば、自力で採用まで戦えるでしょう。もしもそうでなければ、まず自分のいるコミュニティで、よく探してみてください。何を探すのか?関係する国際会議に国際機関(例えばIAEA)の人が来ていないか、自分が関係する日本人の大学教授や研究者や国の役人さんでIAEAの会議に呼ばれてよくウィーンに行っている人がいないかです。そういう方々がいれば、その分野は明らかにIAEAと関係していると言えます。そして、気軽に連絡が取れる関係者がいれば、IAEAのスタッフにも知り合いがいて、近年空く予定のポストの有無や今どんな人がその仕事をしているかの情報が得られます。そのような人は、当然ながら日本人でなくても構いません。結果論ですが、私はこのような状況にあり、周りの日本人の方々のIAEAとの深い関わりとIAEAとの信頼関係により、多大なる高い下駄をはかせていただく結果になりました。実力も重要だとは思いますが、環境がどれだけの手助けとなるかも、ご一考ください。たった一人で、そこそこのResumeを出すことも、よい経験にはなるかもしれないけれど、時間の無駄となる可能性も高いです。
まず、そこから動き出してもいいと思います。誰かに「国際機関で働きたいんだよね」そんな一言を言ってみるだけで、誰かの記憶に残り、「そういえばさぁ〜」という情報が回ってくる可能性もあるのです。また、その機関に関係がある誰か経由で、応募しようとするポストについて問い合わせてもらい、「このポストってどんな?私の周りで興味持っている人がいるんだけど。」という情報があちらに入るだけでも万々歳です。100人以上の中から漏れずにResumeを見てもらうためには、相手方に何らかの記憶に残るということも重要です。
IAEAの場合、セクションと担当者はかなり細かく分野が別れています。その結果、狭い世界で知った顔の人が同じポストに応募しているということが起こり得ます。これも結果論ですが、私の応募したポストには、誰かの知り合い、どこかの誰かと共著論文がある人、あの学会にいたあの人じゃないの?・・・みたいな感じで面接に残ったうち少なくとも自分以外に2名の名前も人物もわかってしまいました。実は、非常に狭い世界で椅子を取り合っているのです。
公募情報は、IAEAの場合は以下のサイトで見られます。これだ!という公募を見つけた時点で、このポストについて関係する人がいないか、問い合わせられないか、探してみてください。繰り返しますが、たった一人で、そこそこのResumeを書いて出しても、採用側の目に留まり最後まで残る確率がどの程度であるのかをよく考えてください。
もちろん、自力でセクションの人を探し出して問い合わせる手もあります。問い合わせてくれる人が頼りなかったり英語力がなかったりすると逆効果のこともあるわけで、自分で頑張ることも否定しません。自力でセクションにコンタクトできるような、そのくらいの気概のある日本人が高い職位に増えると良いと思っています。是非、実力のある方は、一つでも高い職位に応募してください。
https://www.iaea.org/employment
私の場合は、所属する学会の、所属する部会のメーリングリストで、他の研究機関や日本の大学の公募情報と同じようにIAEAの公募が流れてきました。その時点ではまだ2年ほど今のポストに居られそうでしたので能動的には探していませんでしたが、IAEAのような機関で専門性を生かした職を得るというのは、私の目標でもありました。私は経歴が変わっているので、応募時点ではその分野の経験は浅いポスドク2年目でしたが、他分野での10年以上の職歴があります。私の場合、それが一つの自信でもありました。
メーリングリストでは、1ヶ月ほどの期間に2つの情報がありました。1つ目は、OECD配下の機関で、似たような公募でした。興味は持ちましたが、いまいち何をするポストなのかわかりませんでした。少しだけ周りの方に聞きましたが、みなさん、ピンとこない感じでした。2つ目は、受信した時点で隅から隅まで公募情報を読みました。
Job Descriptionには、
- Required Expertise
- Asset Expertise
- Qualifications, Experience and Language skills
などの欄があります。私の場合には、Required Expertiseはまぁ良かったのですが、Qualifications, Experience and Language skillsにあった、
- University degree in *** or related field.
- At least 2 years of experience in***or related field.
という部分がダメでした。学部・修士の学位は別分野でしたし博士号もこの分野と関係がありません。また、経験も、応募の時点ではこの分野の経験は、ポスドクに来てからの1年でした。それでも、ダメ元でもいいから出してみたいと思ったときに相談できる環境にありました。ラボの教授をはじめ、この公募を出しているセクションに問い合わせてくださり(その時点の雇用主である教授が、雇っているポスドクの次の行き先に協力して下さるという素晴らしい環境であったことを強調しなければなりません。)、Qualifications, Experienceにこだわらず興味があったら応募してみればいいという結論にたどり着くことができました。
それでも、出す価値があるのかについてはかなり迷い、出さないという選択肢も常にありました。今のポストで、まだあと2年いられるならここで勉強と経験を積んで、次のチャンスに応募することを考えました。けれども、自分が応募して面白い・可能性のあるポストがそうそう頻繁に出てくる組織ではないということが決め手となりました。一度ポストが埋まると、最大7年は、空きがでない可能性が高いのです。ダメ元でも、本当に行きたいところ・やりたいポストなら、出すべきです。
最初の方で書いたことは、このような私の経験から逆に辿って結果論として導かれた論理です。長くなったので、ここまでを公募に出すまでの経緯と、思うこととしたいと思います。
本記事は、追記したり書き換えたりすることがあることをご了承ください。

