誰もひとつの孤島ではない

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なんぴとも一島嶼にてはあらず
なんぴともみずからにして全きはなし

人はみな大陸の一塊
本土のひとひら
そのひとひらの土塊を
波のきたりて洗いゆけば
洗われしだけ欧州の土の失せるはさながらに岬の失せるなり
汝が友どちや汝みずからの荘園の失せるなり

なんぴとのみまかりゆくもこれに似て
みずからを 殺ぐにひとし
そはわれもまた人類の一部なれば

ゆえに問うなかれ
誰がために鐘は鳴るやと

そは汝がために鳴るなれば
(ジョン・ダン)

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月夜のグルメ

父親の残したモレスキンの手帳にあるお店で、週末の夜遅くに食事とお酒を楽しむという一編がとっても短い数ページの漫画です。

今時は、ブログやTwitterやFacebookで電子的に残っているものを簡単にみることができますが、昔は紙で残すものしかありませんでした。手帳にグルメの記録。それを辿る娘。私もそんなものが欲しいなと思います。今の時代に父親が生きていて父親の残した文章や作品や記録を眺めることができたら、どんなに面白かっただろうなと思います。

New York 聖地巡礼

私が初めて自分の意思で1人で海外に行ったのは、New Yorkが初めてでした。成田からJFKに飛んだのは、9.11の数年後、2005年の秋。当時の写真を見返していて気づいきましたが、UNITEDの機体のデザインが今とは異なっているようです。

到着した2005年11月のNew Yorkは、とても寒くて、膝まであるダウンジャケットを買ったことを今でも覚えています。

異国で暮らす日本人画廊経営者を紹介してもらい、チェルシーにある自宅のパーティ(外国人だらけ)に招待してもらって、初めてトリュフを食べて笑われたりしました。いわゆるステレオタイプな、New Yorkで成功したアーティストな暮らし。犬を連れて週末はロングアイランドの別荘。一生こんな生活には縁がないな、と思いました。

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Good flight, good night

出発前、「グッド・フライト、グッド・ナイト  パイロットが誘う最高の空旅 (Skyfaring: A Journey with a Pilot)」という本を読んでいました。アメリカ人パイロットが書いたとりとめもないエッセイです。話はフラフラとあちらへ飛んでは、こちらへ飛び、まるでパイロットの仕事をそのまま反映しているかのようです。面白くてお風呂のリラックスタイムのお楽しみとなっていました。アメリカ人で、経営コンサルをしながらフライトスクールに行くお金を貯めて、フライトスクールに通い、BAのB747のパイロットになった人です。

例えば冒頭に出てくるのがプレイス・ラグという言葉です。ジェット・ラグ(時差ボケ)は、体内時計の調整ができない速度でタイムゾーンを飛び越えた結果として生じるものですが、プレイス・ラグは、それと同じように乱れる”自分が今いる場所に対する感覚”と呼んでいます。私たちの中に根強く残る古い感覚が、旅客機の飛ぶ速度についていけないのではないかと、言っています。季節の違う北半球から南半球へ、10時間後には日本からアメリカへ、9時間後にはヨーロッパからアフリカへ。そこで感じる不思議なふわふわした感覚。

ついさっき出た北京のホテルの部屋は遠くに去り、気づけばウィーンで電車に乗っているのです。北京のホテルの部屋にいたのは、去年のことなのか12時間前のことなのかわからなくなる感覚が、パイロットのような職業の人にとっても共通なのだと知りました。

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その他にも、へぇ〜と思うようなテクニカルな事にも触れられています。 “Good flight, good night” の続きを読む

天使の数え方

2012年頃にふと湧いた疑問があります。長らく忘れていたのですが、一昨年くらいからまたふつふつと湧き上がって来ました。

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ついてるの?

天使よ、君たちは、男なの?女なの?

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雪のひとひら

全身が、星と矢と、氷とひかりの三角四角のあつまりで、さながら教会の玻璃窓です。きらきらする花びらをいっぱいつけた花です。レースのようでもダイアモンドのようでもあります。とはいえ、何よりもまず雪のひとひら自身であって、なかまの誰にも似てはいません。幾百万という雪たちがおなじ吹雪でうまれたわけなのに、それでいて一つとして互いにおなじものはないのです。

「雪のひとひら」  ポール・ギャリコ

雪のひとひらという短い本があります。山に降った雪のひとひら。春になり融けて小川となり、川となり、海に流れ、そしてまた雲の中に吸い込まれて行く。そんな物語です。(だったと思います・・・。)「猫語の教科書」や「ジェニィ」等で有名なポール・ギャリコです。ギャリコって「コ」がつくから女性だと思い込んでたんですよね。読んだのは高校生くらいですから、ポールが男性名だなんて苗字と名前が逆だなんて理解していません。あれ、理解しているはずか・・・。もちろん、ポールですから、おっさんです。それも、こんな可愛い文章を書きそうもないような。

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喫煙消灯飛行

東京を離れる直前、ふと立ち寄った東急百貨店で古書祭りをやっていまして、何冊か昔よく読んだ作家のまだ読んだことがない古い小説を買ってきました。なんてことのない結論も曖昧な恋愛小説だったのですが(この人、こんな恋愛小説も書く人だったんだと再発見はしたものの)、知らなかった衝撃の事実が現れました。

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ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

私がしおらしく今年を振り返り、日本を離れウィーンの地に暮らし始めたことや、来年の目標を、私が述べると思いますか?その前に、面白かった本の話をしなければなりません。

今年は特に、本を読んでいる時間はあまりなかったのでとても限られた中からですが、これだけはオススメしたいのがこちら!

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Interview invitation

私の場合は、応募してから面接の連絡までに3.5ヶ月程度でした。10月末に締め切りがあって、翌年の2月の初めに連絡がありました。

「Interview invitation」メールが来るまでの間、ここには書けないいろいろなことがあって、周りの方は励ましてくれるけれども、私本人的にはすっかり諦めていました。面接の連絡、なかったなー、他の人に決まったんだなー、と。

「面接はまだですか?」という問い合わせ等をしてもよかったようで、実際に応募した皆さんはされていたようです。私は、セクションの方々を直接存じ上げていたわけではないのと、奥ゆかしい(?)日本人ゆえ、問い合わせなどはしませんでした。したがって、応募しっ放し・・・という状況でした。

それで、去年のちょうど今頃(記事ととしては、2018年2月当時にしてあるのですが、書いているのは2019年2月です。)「Interview invitation」なるメールがメールボックスに舞い込んできました。自分の誕生日近く、2018年2月8日のことでした。あれからもう1年も経ち、私は現在、ウィーンに暮らしています。そのメールの本文は、

Dear (Name),

In connection with the post of (position name)/(organization name), the (organization name) would like to invite you for a video interview via Video Conference on 21February 2018  09:30hrs Vienna time.

If you have an ISDN-based (H.320) or IP-based (H.323) compatible Video Conference studio available at your Company / Organisation, which you are allowed and willing to use either free of charges or at beforehand agreed conditions, please forward technical details and contacts to arrange for a test connection. We will initiate the call from Vienna at our expense.

Please do not book any Public Video Conference Studio yourself on behalf of the (organization name).

Kindly confirm your availability at the earliest convenience.

Thank you,

と、こんな感じのメールでした。え・・・2週間しかない!!!!!大騒ぎです。本当に、蜂の巣をつついたような大騒ぎです。もちろん、騒いでいるのは私だけですが。その日のうちには、当時の雇用主であった研究室の先生、それからかつて国際機関の面接を受けたことがある方が、自分が面接するならどんな質問をするかという想定問答集を下さいました。面接の練習が必要なら付き合ってあげるよ、とまで言って頂きました。自分が雇用している研究員が他所へ異動するための面接に対して、こんなに協力してもらえる環境ってあるでしょうか・・・。本当に、周りの皆さんに持ち上げられるようにして、面接の準備を始めました

ちなみに、自分で大学の会議室を使うとかSkypeでやるなど、自分に負担がかかる方策を取らないようにとの強いお薦めを頂きまして、私は、先方にお願いして日本国内のしっかりとした会議施設を抑えて頂きました。したがって、自分では何もせず、当時の指定された時間に指定された会議スペースに行くと、すでにビデオが繋がっているという状況でした。今、思い返してみると、絶対にこちらがお薦めです。ポスドクの面接などと違って、ちゃんとした(?)組織の面接で、選択肢が与えられた場合は、ぜひ、遠慮せずに先方に会議室を取ってもらいましょう。

自分が実際に受けた面接の質問とはもちろん異なりますが、こういうところから準備をするんだな〜というとっかかりとして良いウォーミングアップになりましたので、頂いた想定問答の一部を公開させて頂きたいと思います。

Please introduce yourself.
What was the subject of your Ph.D. thesis?
What kind of job are you being engaged in?
What do you know about (the mission of) XXXX (organization)?
What do you know about (the mission of) XXX (section)?
What do you know about XXXX (service name)?
Do you have any overseas experiences?  If yes, where and what did you do there?
What do you think about the future of energy system?

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それから、amazonで購入した「面接の英語」なる本などを参考にしました。ちなみにどうしてこれにしたかというと、同じ著者による別の本「国際会議・スピーチ・研究発表の英語表現」が役立った経験があったからです。ちなみに、「面接の英語」の方は、Berlizの先生にも見てもらって、一部ウケ狙いみたいな変な問答はあるものの概ね好評価でしたので、これ一冊を記憶するんじゃないかというくらい、聴きました。もちろん、記憶力が悪いので全く記憶できませんでしたけど。とても役に立ったので、捨てずにウィーンまで連れてきました。