化学の分野では分子を描画するソフトウェアが山ほどあります。2次元構造を描いてNMRやIRスペクトル、溶解度などを予測したりするもののみならず、解析した結晶構造を3Dで描画したり回転させたりX線回折パターンを出したりそのまま分子構造計算のインプットファイルを作成したり、とまぁ、ほとんど考えつくことはなんでもできます。最近では単分子のみならず、たんぱく質のような巨大分子も問題なく取り扱えるようになっています。フリーソフトでも相当なことができる世の中になりました。
稀に原子核の双極子モーメントがうんちゃらかんちゃらということはあっても、化学では原子は「1つの球体」として全く問題なくやり過ごせます。それでも細かいことにこだわりすぎてしまう私は、ランタノイドのイオン半径の収縮を球のサイズにも反映するということをして博士課程を過ごしました。どうせなら色も反映すればよかったのに、どうも変な色使いなのが残念です。
さて、今回、そんな原子核を描く事情ができました。原子核を描くソフトって〜・・・ない・・・
著作権の関係で人の画像を勝手に使うわけに参りません。自作する必要がありそうです。これまでも、何度となく描いてきましたが、結局1つの球体でビー玉的にするという手抜き解にたどり着いてしまいがちでした。しかし、いざ本気で作り始めてみるといろんな疑問に行き当たります。基本的なことを知らなすぎて、抽象化してもいい妥当な偶像が描けません。例えば、
「原子核の中で核子は最密充填構造を取ってるんですか?面心?六方?」
「誰も見たことあるわけないだろう!」
「す、すいません・・・」
そんな時はGoogle画像検索だ!
「nucleus・・・っと」
ちがうそっちじゃない
紆余曲折ほぼ1ヶ月。何をしてるんだか途中でわからなくなりましたが、結局Inkscapeで作成しました。まずは2色の球を作ります。光のグラデーションと影のグラデーションの2つを下地に重ねます。
あとはこれを重ねてそれっぽくするだけ!なのですが、ここでなかなか適当にやりすごせない性格が顔を出します。例えば、
- 核子が陽子92個+中性子143個で構成されている場合に表面に見えている陽子と中性子の割合はこれを反映すべきか
- 核子が全部で235個ある場合、表面に見えている核子は何個であるべきか
- 原子核の変形が分かっている場合はそれを反映すべきか
- 中性子過剰核である場合、どうしても近接に中性子が集まってしまいますがこれをどこまで許すか
- 中性子スキンって何!!!
だからもうそんなことどうでもいいだろう〜〜という声が遠くから聞こえてきまして、はい、結局ざっくり作りました。
まずはガイドにする丸の上に球を並べていき、だんだんと中心に向かって乗せていくだけ。重ね方はもう適当です。むしろ体心立方構造を目指して立方体を置いてガイドにしながら乗せていくようなことをすると大変不自然になることがわかりました。自然界はきっとカオスなんだ。
できたできた。あとはちょっと歪めたり割ったりするだけです。
「下にある核子にも光が当たってるの、変じゃない?」
聞こえません。
「白黒にすると核子の区別つかないようですが。」
がーーーん。





化学で一つの球体にするのは原子であって,原子核では無いと思われます。ユウロピウムは青です。ホルミウムは牛柄です。これだけは譲れません。
MaLiLA CuLiLAさん、がーーーーん!ご指摘の通りです。修正しました。ホルスタインの溶液は白色です。3価のHoはピンクです。Euの溶液はほとんど無色で、自然光で見る溶液からはあの蛍光色は想像もつきません。自然光で綺麗なのはPrとNdとErとHoです。