誰もひとつの孤島ではない

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なんぴとも一島嶼にてはあらず
なんぴともみずからにして全きはなし

人はみな大陸の一塊
本土のひとひら
そのひとひらの土塊を
波のきたりて洗いゆけば
洗われしだけ欧州の土の失せるはさながらに岬の失せるなり
汝が友どちや汝みずからの荘園の失せるなり

なんぴとのみまかりゆくもこれに似て
みずからを 殺ぐにひとし
そはわれもまた人類の一部なれば

ゆえに問うなかれ
誰がために鐘は鳴るやと

そは汝がために鳴るなれば
(ジョン・ダン)

ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」とE・H・カーの「歴史とは何か」で引用されているジョン・ダンの瞑想集からの一節。あまりにも有名なものです。

今日、ある出版物の期間限定全文公開を読んでいて、懐かしい一節に触れて思い出しました。この感染症の拡散においては、誰もが孤島のように孤立している存在でなく、世界中の人たちのつながりに線を引いたら地図が真っ黒になるほどに誰もが誰かとつながっているのだということを明らかにしている。という説明の中に出てきたものです。こんなに非アクティブな私でも、それは例外ではありません。

この国では既に1週間前、ロックダウンから3週目にして、イースター明けからの開店できる小規模店舗の増加や外出制限の緩和策が公開されています。なんとなく終わりが見えてきた雰囲気です。けれども、世界で見ればまだまだ感染できてしまう可能性のある人は75億人もいるのです。他国の状況が見えない以上、夏休みは国内で過ごしてほしいともアナウンスされています。いつ国境を再び開くことができるのかはまだわかりません。最終的に、この1年がどんなものになるのか。連続的な変化ではない突然の分断。既に多くの人の人生が変わってしまっています。そしてそれは決して全く同じ元の状態には戻らない。そしてそれは私も例外ではありません。

2020-04-11 11.57.13

 

そして本棚を探すも、また読みたい本に限って見つからないのでした。表紙まで覚えているのに。

“誰もひとつの孤島ではない” への3件の返信

  1. 本といえばいま、カミュの「ペスト」が猛然十万部単位で読まれていてその結果の超入手困難。これが背景です。NHK TV が「100分de名著」と言う一作品15分 x 4回のシリーズ番組を長いことやっていて、このご時世とうぜん「ペスト」の巻の再放送が昨日ありました。タレントの伊集院静が狂言回しで俳優が朗読し、訳者とか作家をゲストに内容を追う。現状に酷似した閉鎖都市での人間群像が多面性と深みを持って浮き上ります。「ペスト」を読んでみたい強い願望が湧き出したところです。でも超入手困難。

    1. gonneko先生、3月の初めにイタリアがロックダウンされた時、(https://bonsenpai.com/coronavirus-in-italia0228)を読んでからこのマンゾーニのいいなづけを読んでみたくなっていたのですがあっという間のロックダウンで本屋さんにいく機会もありませんでした。明日から本屋さんもオープンするところが増えると思うので、探しに行ってみたいと思います。カミュのペストも読んだことがなかったので探してみます。しかし、カミュの本が売り切れちゃうって、世紀末感がすごいですね。

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