
この冬(2024/2025シーズン)は記録的な小雪です。普段より60-70%も降雪が少ない異常事態です。その割に晴れが多いのでスキー客は多いという謎のシーズンです。どのゲレンデも2月からすでに春の陽気。雪のない斜面が目立ちます。
そんな中、チロルエリアのどこよりもドカ雪の予報が出ていたNassfeld。これは行くしかない。
ずっと行きたいと思いながらも、(1)スキーに行くのにウィーンから南に向かって走っていくのが意味不明で(2)結構遠いからそこまで時間かけるならチロルかなと思うし(3)天気と降雪予報が他のエリアと違いすぎて予測が難しくて行っていなかった課題のNassfeld。やっとこの時がやってきました!これでオーストリアの大規模スキー場の制覇率が9割9分に達するのでは。
オーストリアーイタリア国境にあるNassfeld
ウィーンからGrazに向かい、Klugenfrutを超え、Villachを超えたさらに南に位置するイタリアとの国境の山にあるスキー場です。イタリアに抜けるNassfeldpassが通り抜けている場所です。
麓の街から長距離ゴンドラで上がってくることもできますが、それ以外に標高1300mあたりのNassfeldpass付近にも数箇所、ホテルやロッジが立ち並ぶエリアがあります。
春のドカ雪
3月も中旬、このまま雪が降らない記録的な小雪のままスキーシーズンが終了してしまうのかと思っていた時にこの予報です。3日間で50cmほどの降雪があるとか?半信半疑ですが、降り始めた日にライブカメラを覗いてみるとマジ降りしていました。毎日のように雪がどさどさ降る日本海側と違って、オーストリアでは数日で50cmもあまり聞いたことがない降りかたです。大丈夫かね、これ。

で、雪崩でクローズなどの心配をしつつも、実際に行ってみたら、積雪50cmは本当でした。予測よりも随分標高の低い場所まで降ったようでした。そんな標高1300m地点で久々に見たのは、雪の壁、雪で埋まる車、車が出た後の抜け殻、呆然と車の間に立ち尽くす人、一生懸命に車を掘り出す人、除雪が追いついておらずちょっとカオスの駐車場。





天気が良ければ見たかった周囲の山々ですが、残念ながら滞在中2日間も雪と小雨がほとんど止むことなく降りっぱなしで、周りの山々の景色は全く見えませんでした。

ゲレンデの様子
リフト、ゴンドラ、Tバー全部合わせて索道30機、合計の滑走可能なルートは100kmを超える比較的大きなエリアに広がるゲレンデです。麓の街まで降りるコースはかなり長距離。
北斜面・北東斜面にはいくつもの公設のオフピステコース※やツアーコースが設定されています。どこも比較的ワイドで、開けた場所も林間もあり、めちゃくちゃ楽しい。圧雪バーンもメリハリもありとても良いゲレンデ!ちなみに標高1300付近にクロカンコースもありました。
※日本と違い、コース外滑走という概念は非常に薄く、圧雪(ピステ)と非圧雪(オフピステ)があり、スキー場が設定する非圧雪のコースもあれば単に圧雪の外側ということもあります。とにかくどこを滑ろうが全て自己責任。

全体的にチロルのスキー場と比べると設備は古めですが、良い感じです。この丸っこい形のゴンドラがあちこちに。

1日目:重い新雪50cm
朝イチから50cmもの降雪があった直後のゲレンデに出てみると、雪は確かに深い。

新雪50cmは確かに本当です。でも新雪は常にパウダーを意味しない。そう、雪が

めっちゃ重い!
踏み込むと一瞬で硬くなる重い片栗粉のような雪!

なので舞い上がる雪もパウダーではなく雪の塊です。日本海側の湿った雪を思い出させる春の雪質です。
ビンディングをセットバックしておらず後傾で乗るのがめちゃくちゃ脚にきます。めっちゃ重い雪ではありますが、せっかく降った雪を楽しめるオフピステコース回しで6時間半で移動距離64km、滑走距離35km、最高時速58.4km/hで楽しみました。
2日目:久々のヒリつくオフピステ
さらに10cm+の降雪があった2日目。1日目よりも気温が下がったせいか、片栗粉感が少し改善。そして朝から、楽しい場所を見つけて回し始めました。


そのうちの1箇所、左の尾根に乗れるうちに乗っておけばよかったものを、楽しそうな右側に流れていった結果、結構ヒリつくコース取りになりました。


30-40cmの雪の足場からちょっと踏み外せば10m下の沢へさようなら〜。スキーヤーなら板を履いたまま行けるようでしたが、スノーボーダーには無理。ザックにカメラなどを全て仕舞い、外したスノーボードが何かの弾みで手から離れても大丈夫なようにリュックに固定して急坂ツボ足登り。足は何度も腿まで埋まります。何とか安全圏まで出たところで、後ろから来ていたスキーヤーに「Yeah! You made it! 」と言われる始末。
スノーボードを脱いで歩いて上がるあの感じのアドベンチャーは日本を出てから久しくしていなかったので、懐かしく楽しんでしまいました。それにしてもこっちのスキーヤーも結構ワイルドなコース取りをするものです。私の後ろからも続々と滑り降りてくる人たちが同じルートへ流れ込んできました。
帰ってから地形図を確認すると確かに沢だった。ちなみに「ひりつく」はギャンブル用語なので常識ある皆さんは使われませんように。
もう重い雪で脚がクタクタ。午後には妖怪板掴みも出現し、雪の抵抗でスピードが全然出ません。主にオフピステコース回しで4時間半、移動距離48km、滑走距離26km、最高時速55.0km/hで楽しみました。
イタリアご飯
ゲレンデはオーストリア側にありますが、車や徒歩でNassfeldpassを超えてイタリア側に行くことができます。


そんなイタリア国境を超えてすぐの場所のイタリア側に美味しそうなレストランを発見。オーストリアの茹ですぎパスタと違って、良い茹で具合の麺に魚介、ピザ。久しぶりに美味しいイタリアンを食べてきました。



そんなわけで短い滞在でしたが、小雪の今シーズン、クリスマスからもう新雪を見ていなかった気がするほど、雪が降らない中での貴重な50cm、頂いてきました。
