白鳥殺鳥未遂事件

イギリスの白鳥、特にテムズ川に生息している白鳥はみな王室(この記事の時代はエリザベス女王)に所属しているほど、白鳥といえば優雅な鳥の象徴のようにみられがちです。

しかしその実、結構攻撃的で有名でもあります。

そんな白鳥の衝撃の瞬間をつい先日、ウィーンのアルテドナウという閉鎖湖でSUP(Stand up Paddle)を楽しんでいる最中に目撃しました。

まさにその日のアルテドナウ

目撃者多数。多くの人がボートやSUPやカヌーで行き交う晴れの日曜日、のどかな7月の夕方。大衆の目の前で起こった突然の自然の猛威。

私がSUPで駐車場まで戻ろうとしていると、少し後方横から

「ぴーー!ぴーーー!ぴーーー!!ぴーーー!」

というただならぬ幼い声がします。まだ羽も灰色で大きさも30cmくらいしかない、まだ飛ぶこともできなさそうな白鳥の幼鳥が水面を大急ぎで移動していきます。

なんだなんだ?

最初はなんか遊んでるのかな?と思ったのですが、その後ろから大きな白鳥がその幼鳥を追いかけていることに気づきました。その大人の白鳥、なんと表現したら良いのか、猫が興奮した時に全身の毛を逆立てるような感じで、羽を怒肩のようにして幼鳥の後を追っています。

その時もまだ、なんかあの幼鳥はイタズラでもして大人に怒られているのかな?と思ったんですが、さすがに人間でもわかるような幼鳥の危機迫る鳴き方、成鳥の方の狂気を感じるただならぬボディランゲージ。周りにはたくさんの人間がボートやSUPで行き交っています。その全員が一旦停止して白鳥たちを目で追います。

すると、幼鳥に追いついたその大きな白鳥、幼鳥の首をくちばしで咥え、幼鳥を水に沈めはじめました。何度も、何度も。何度も、何度も。

え・・・?

周りにいた人間全員が、状況を理解するのに10秒くらいかかったと思います。

え・・・? 殺そうとしてる・・・?しかも、本気だ・・・

あの白鳥、本気だ!!!!

と気づいた人間たち、一斉にボートやSUPから、白鳥の一番近くを走っているボートに乗っている人に向かって叫びはじめます。

「その白鳥を止めてーーーー!!!!幼鳥が殺される!!!!」

と言われても武器も何も持ってない近くを走る電動ボートに乗っている人たち。なんとか攻撃している白鳥を止めようと水をかけたり大声を出したりします。

その間も、母鳥と思われる白鳥は少し離れたところを困ったように左右に移動しているだけで助けには来ません。

人間が何度か白鳥に水をかけていると、ほんの一瞬、隙ができ、その瞬間に幼鳥が逃げ出し、母鳥の元へ。

生きてた・・・

その後、父鳥なのか、幼鳥を攻撃していた白鳥を攻撃する別の白鳥が現れ、一体はかなり大騒ぎになっていました。私が目撃したのはここまで。

成鳥の白鳥が、幼鳥の首を咥えて、何度も何度も水の中に突っ込んで殺そうとする数十秒。恐怖でした。


ググると一件だけ日本語でYahoo知恵袋がヒットします。(ヨーロッパからは読めない)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1315794728

イギリスでは一羽の雄の白鳥が20羽殺した話もヒット。

https://www.bbc.com/news/uk-wales-south-west-wales-44765056

37歳の男性が白鳥にカヤックに突進されて落とされ泳ぐのを邪魔され死亡

https://www.bbc.com/news/magazine-17736292#:~:text=%22If%20you%20approach%20a%20swan,it%27s%20mostly%20show%20and%20bluster.%22

ある7月の平和な日曜日、水辺で遊ぶ人々で溢れるアルテドナウに突然現れた、自然の猛威。鳥から狂気を感じたのは生まれて初めてです。

本来、白鳥の棲家であるアルテドナウ、白鳥がストレスを感じるほどの数の人間が水辺を漂っていたのも原因だったのかもしれません。

白鳥は危険です。特に子育て時期の雄の縄張り意識が強く危険なようです。近寄ってはいけませんよ。人間でも子供なら大人の白鳥の羽でどつかれたらかなり痛そうです。

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