Kungsleden Day 3 の記録。

再びSingiを目指す
翌朝、曇り。肌寒い。寝てる間も風は強く吹き下ろす風がテントのフライを叩き、雨音も何度かしていたけれども、寒さはあまり感じなかった。7:00、昨晩同様にMSRテントの前室で湯を沸かし朝ごはん。

湖の水はとても冷たく、水着を持ってきたものの泳げる気は全くしない。歯磨きをしてテントを撤収し、9時近くになって出発する。

この日は、Singiを通り越してSälkaまで行く予定。SingiのHutteにはあまり物資はないようだが、SälkaのHutteの説明には”you can buy provisions and gas cartridges here and there is also a sauna. Camping in the vicinity of the hut is also possible.”とあるので、多少のリラックスを期待して進むことにする。
STF Singi Fjällstuga
STF Sälka Fjällstuga

朝からブルーベリーを採って甘味を補給して歩き始める。

この日は終始、晴れ間が出たり、真っ黒な雲がやってきたり、忙しい天気が続く。



Singiに近づくと徐々に視界が広がる。

Singi周辺はたくさんのブルーベリーがなっていて、歩を止めてはブルーベリーを摘むのがやめられない。

トナカイに出会う
お昼前、Singiの手前、数人のハイカーがトレイルを離れて川のほとりが見渡せる岩の上に立っているのが見えた。何を眺めているのだろう。良い景色ではあるけど、特段、変哲のない川である。

と、よくみるとそこに見えてきたのはトナカイ。7-8頭のトナカイの群れは、白い胸毛を蓄えた大きな個体を先頭に水辺からトレイルを横切り山上に上がって、私たちの目の前を通り過ぎていく。大きな角を持つ個体と、比較的小さな角の個体。首周りの胸花が白いのと全身が茶色の個体。


生まれて初めて見たトナカイ。それも野生のトナカイ。小さい個体はときどきぴょんぴょんと跳ねたりしながら、人間をさほど気にすることもなく平和にトレイルを横切り山を登っていく。行き先に迷う様子もなく、確実な歩を進める。とても印象的な平和な群れだった。
実は、トナカイにどのくらいの頻度で出会えるのかがわからないまま出発してきた。もっとたくさんあちこちにいるのかと目を凝らしていたけど、この3日目まで全く目撃することがなかった。トナカイの歌でも歌えば出会えるだろうかと思ったけど、実際には誰かが書いていたKungsledenの記録”if you are lucky, you will meet reindeers” の通り、幸運が味方しないといけないようだと思い始めていたところだった。きっと幸運だったんだろう。
Singi Fjällstuga
さらにSingi Fjällstugaが遠くに見え始めたあたりで、一面ブルーベリーが広がるエリアを見つけた。ここは屈まなくても斜面全体がブルーベリーになっていて、しばし立ったままブルーベリーを摘んで食べて、えらい数のブルーベリーをいただいた。



到着したSingi Fjällstugaは、シンプルな3-4軒の小屋の集合体だった。とても小さく、ここにはハイシーズンのみ小屋番がいるだけのようで売店もなかった。小屋番をしているのだろう人は、老年のご夫婦。「鍵は開けていくから必要なら地図は中にあるから見ても良いよ」と声をかけてくれた。小屋の横でお昼休み。かなり風が強く寒い。手が悴むので手袋が必要なレベルだった。小屋周辺もテント泊に良さそうなロケーションだった。


SingiからKungsledenの本番へ
そしてこのSingi Fjällstugaを過ぎてからがKungsledenの本番。北極圏らしい、Kungsledenらしい風景が続く過酷な自然のエリアに突入する。トレイル以外はほぼ手つかずの荒野を歩く。それでもトレイルを歩いていれば5-10kmに一人くらいはAbisko側から来るハイカーとすれ違うのでそこまでは寂しく感じない。これが、Abisko側から来るとすれ違う人は格段に少なく、常に誰かの背中を眺めながら歩くことになる。そういう意味で、Nikkaluoktaを出発するのは良い選択だった。




何度も何度も渡河をする。8月も末になり水量が下がっているようでサンダルに履き替える必要はなかった。どの程度サンダルに履き替えての渡河があるのかによって進行スピードにも影響すると懸念していたので、一安心。

稀に陽が差す時間もあり、背中に太陽を浴びると暑い。

そんな時には太陽光パネルをザックに取り付けてバッテリーを充電するも、なかなか充電は増えない。しかも天気はコロコロ変わり、すぐに太陽は雲の裏に入ってしまう。そんなわけで、充電はなかなかというより、全く増えない。





雨に降られそうになりレインカバーをつけたりレインウェアを着ていたけど、完全に降られることはなく済んだ。
Sälka Fjällstuga
到着したSälka Fjällstugaは比較的大きな小屋で売店もあった。2日間テント泊をしたので、なんとなく気が向いて小屋に泊まってみることに。聞いてみると小さなキッチンもついている個室があるという。ただし、Kungsledenの小屋にほぼ共通なのは、
- トイレは外
- シャワーなどは無いが、大きな小屋にはサウナがある
- 水は自分で川辺に汲みにいくか大きなタンクから自分で汲んでくる
- 使った水(お皿洗いや歯磨き)は汚水タンクに自分で入れる
- ゴミは持ち帰る(置いて行けるのは小屋で販売されている缶詰の空き缶などのみ)
- 布団はあるがシーツを使う
- 部屋の掃除は自分たちで
というルール。我々は持ち込んだ食糧はギリギリである程度は小屋の売店に頼るつもりだったので、これを機にとスティックコーヒーと砂糖、缶に入ったスウェーデン製の水煮スモークソーセージを購入した。意外に美味しく、後日リピートした。そしてこの小屋にあったのが謎の巨大なキッチンペーパーロール。こんな大きいの初めて見たけど。


そしてこの日は、人間界でしばし休むことに。最後の5kmあたりから足疲れが出てきて、足の裏の痛みや疲れがあったので、タイガーバームを塗りこんで休む。翌日までに回復しそうに無いけれども。

この日の移動距離は21km弱。

