
オーストリアのスキーリゾート地Ischgl(イシュグル)は、2020年初頭に欧州でのCOVID-19拡大の震源地の一つ。COVID-19以前のこの町では、Apres Ski(アプレ・スキー)文化(スキーの後に飲んで爆音音楽でパーティ)が盛んで、そんなパーティーピープル系の人が多く訪れていました。もちろんスキー場としても良い場所なんだけど、それ以上にApres Skiが有名だったのがIschgl。そして、2020年春、COVID-19のヨーロッパ全土への感染拡大のきっかけを作った激震地としてあまりにも有名になってしまいました。
Ischglエリアについて
Ischglの街はオーストリアのチロル地方にあります。街は狭い谷にあるため、街中の道は狭く、駐車場は街の下にある立体(Parking Lounge)・外置き駐車場(P1,2,3)に集中させる仕組みになっています。外置き駐車場からは徒歩で2本の主たるゴンドラまで行くことができますので、日帰りトリップにも便利になっています。
Ischglゲレンデの詳細
山の稜線がスイスとの国境になっていて、国境の反対側はスイスのSamnaunというスキー場になっていて同じチケットで相互に往来することができます。スキー場のゲレンデマップの左上半分はスイス、右下半分はオーストリアです。

IschglでCOVID-19がアウトブレイク
2020年2月末。そんなIschglのApres Skiバーの従業員が感染し、客にウイルスを拡散させるところからCOVID-19のアウトブレイクが始まりまります。そしてこれがオーストリア全土やヨーロッパ各地へ広がりました。ドイツ語Wikipediaを要約してみると、

- 英紙によると、2020年1月中旬にはすでに英国人旅行者がIschglで感染し、ウイルスをイギリスに持ち帰った可能性。
- 2020年3月3日、アイスランドのガイドがIschglのホテルに、ツアー客2人の感染を報告。
- 2020年3月4日、アイスランド当局はIschglを高リスク地域と指定し、EUの早期警戒システムにも通知。
- 感染者が異なる5つのホテルに滞在していたことから、現地保健当局は「飛行機内で感染した可能性が高い」と主張。
- Kitzlochというバーのバーテンダーが陽性となり、バーは消毒・従業員交代。2020年3月8日時点で当局は「ゲストへの感染の可能性は低い」と発表。
- しかし感染者が続出したため、2020年3月9日にKitzlochが、翌10日にはIschglの全Apres Ski施設が閉鎖。
- 2020年3月13日、Ischglスキー場全体が閉鎖。
- 谷沿いの全ての街、近隣の他のスキー場の街であるSt. Antonなどが隔離措置。隔離は2020年4月22日まで続いた。
この地元当局やオーストリア政府の対応の遅れにより、観光客がウイルスを持ち帰り、45カ国以上で感染が報告され、その結果、Ischgl発の感染者は6,000人を超えると推定されているそうです。この出来事は、観光地における感染症対策の重要性を浮き彫りにし、その後の色々な規制に影響を与えたのではないかと思います。
当時、ニュースを見ながら、続々と閉鎖されていくチロルの街、チロル側から広がっていく感染の波に戦々恐々としていました。
Ischglで滑った2022/2023シーズン
Ischglというどんなスキー場がそんなに人々を惹きつけていたのかずっと気になっていたので、2022/2023シーズンの春に初めて行ってみました。しかし、その日はお天気も良くなかったので、滑り尽くせなかったことが心残りになっていました。お天気の良い日に再訪の機会を心待ちにしていました。
春のパウダースノーのIschglを滑る2024/2025シーズン
ウィーンからはなかなか遠く、しかもハイシーズンは宿も高く、やっぱりオフシーズンに攻めること2度目です。今回は、春の降雪があった直後の晴れの日を狙って行ってみました!

ゲレンデが広大だったことは記憶していましたが、こんな絶景だったとは・・・あちこちに際限なく張り巡らされたリフト。稜線を走るコース。そして充実のオフピステ。




Swiss/Austria Boarder(スキー場の中にあるスイス/オーストリア国境)
お決まりの国境サイン。

E5 Piz Val Grondabahn
前回来たときは悪天候で運行していなかったゴンドラ(E5 Piz Val Grondabahn)。


こちら、天井からスキー板を吊るせるタイプ。

一旦乗ってしまうと圧雪車が走った圧雪コースはなく、自己責任のツアーコースしかありません。自分で判断して滑ることができる人たちだけが滑り出すことができますが、こちらの人はそんなこと気にしない。結構いろんなレベルの人がこの斜面にほぼ何のアバランチ装備もなく入っていきます。

はい。いい雪が保たれているオフピステを楽しく滑走させていただきました。めちゃくちゃ良い雪でした。これが4月2日だなんて!



80 valley run to Samnaun
そしてこちらも前回来た時にはタイムオーバー+視界不良で断念したスイス側のSamnaunに谷間を長距離滑り降りていくコース(コースNo.80)。こちらもすんばらしかったです。

最後の方は雪がギリギリついているだけで、スキーヤーが1人通るのが精一杯の幅でした。それでも、戻りのSamnaun側のゴンドラは2階建で満員。

スイス側も滑ってオーストリア側に戻って、5時間で移動距離65km。これでもゲレンデ全体の1/3も滑られていない感じです。

Ischglの街散策
以前は滑って帰っただけだったので、お天気も良いしお散歩してみました。興味があったのはもちろん、今でも(シーズン終盤でも)パーティーピープルが騒いでいるのかということ。
街は比較的静かで、皆さん、日光浴を楽しみながらお酒を飲んでいる程度でした。


ふーん、、、こんな感じならSt. Antonと変わらないし、今度は泊まりで来てみてもいいかもなーと思い、街散策を終了。
村をつっきるトンネル
スキーヤーがブーツのまま村を楽に移動できるように、2箇所のゴンドラ乗り場と街の中心を貫く歩く歩道トンネルがありました。トンネルの中には過去にスキー場のオープニングやクロージングのコンサートを行った有名アーティストの写真がたくさん飾られていました。ちなみに2024/2025シーズン最後のコンサートはShaggyでした。


