ドカ雪のシーズンはじめ、雪が降らない非常に乾燥した12月と1月、そしてドカ雪の2月。今年もおかしな天候が続いている2025/2026冬シーズンのオーストリアアルプス。(フレンチアルプスは12月に結構降っていました。)
現在、ヨーロッパ・アルプス地域は非常に危険な状況にあり、各地で強い雪崩警報が発令されています。今季これまでにスキー関連の死者は88人に上り、フランスやイタリアに加え、オーストリアのアルプスでも雪崩による死亡事故が発生しています。
原因として指摘されているのは、
- 気象変化による降雪条件の変化
- オフピステ(コース外)スキーの人気上昇によるスキーヤートリガー
です。
ドカ雪→気温序章→乾燥→雨→ドカ雪、というような不安定な雪の積もり方が非常に不安定な層(弱層)を形成していると思われることが第一点。そして、そもそも、ヨーロッパのスキー場は日本と違って標高が高いのが基本ですが、従来なら乾いた雪が降り強風で飛ばされるような標高の高い場所でも大量の湿った雪が降ることが増えているのも原因のようです。
さらに日本と同様にヨーロッパでもパウダー滑走が人気になり、日本と違ってオフピステ滑走も自己責任であるが故に雪崩の危険性を十分に認識していない一般スキーヤー・スノーボーダーがふらっとオフピステに入ってトリガーしてしまう要素もあるように思います。
2025年11月27日:Stubaier Gletscher, Austriaのオフピステで8名埋没
まず、オーストリアでは11月末、Stubaier Gletscherのリフト脇すぐのオフピステで大規模な雪崩が発生し、一部の雪が整備されたコースにまで達しました。オフピステを滑走していたグループが引き金になったとみられ、8人が埋まりましたが、幸い全員が無事救出されたという事故からこの雪崩ラッシュのシーズンが始まりました。
当時、運営体制をめぐって批判の声も上がり、それに対してスキー場運営側は日常的に雪崩リスク管理を行い必要に応じてコース閉鎖や人工爆破などの対策を講じていると説明しました。ピステに隣接したオフピステのリスク管理の難しさを改めて感じさせる出来事でした。
2026年2月17日:Courmayeur, Italyでリフト待ちの列に雪崩が直撃
つい先日は、イタリアでは大規模な雪崩がリフト待ちをしている人々に降りかかる映像が撮影されるなど、スキーヤーが巻き込まれるケースも起こっています。当時のパニックを目撃者も語っています。
2026年2月16日: スイスで雪崩のために電車が脱線
さらにスイスでは雪崩によって列車が脱線し、5人が負傷する事故も起きました。
2026年2月17日: Zellmat, Switzerlandでも麓に至る大規模雪崩
2026年2月18日: Soelden, IschglなどAustria: ゲレンデに程近いあちこちで雪崩
今般のヨーロッパで起こっているような新雪が滑り落ちる「表層雪崩」は時速100~200km(新幹線並み)に達します。逃げ出すのはほぼ不可能です。
2026年2月19日: オーストリア全土ですでに17人が雪崩で死亡、Tirol地方, Austriaで雪崩警戒レベルを引き上げ
そんなこんなであちこちで起こる雪崩事故により、オーストリアだけでもすでにこの冬17人もの人が亡くなっています。
さらに今週の中頃にかけてまた降雪が強まることから、チロル州の雪崩警報が多くの地域で「レベル4(大きな危険)」に引き上げられました。また、前述のStubaier Glacierでは、新たにスキー場外と思われる山岳エリアで再び雪崩事故がありました。駐車場に車が残されていたことから大規模な捜索が始まり、結果的に2人のスノーボーダーが死亡したようです。

今日はウィーンも雪が舞い、夕方からは雪が強まり夜になって積もり始めました。山岳部ではかなりの降雪になっています。しかし、この降雪の後に、また来週は春の陽気が予想されています。またさらに雪崩リスクが高まりそうです。




