テロ事件に負けずウィーンは平和です

11月3日より、再びのロックダウンだという記事を書こうとしていたら、日本でも報道されたテロ事件が起こり、そんな気分でもなくなっていました。ちょうど事件が起こる30分ほど前、ちょっと寄り道をした後に車でSchwedenplatzを通って帰ってきたところでした。

家に帰ってベランダの窓を開けると、ヘリが飛ぶ音。だいたいこういう時は警察が何かを追いかけているので、ローカルのニュースサイトをチェックしたところGun shots in downtown Viennaというヘッドラインを見て、ああ、珍しいなと思いました。

しばらくしてもヘリの音が鳴り止まないし、断続的にサイレンが聞こえるし、なんだろうな?と思っていたところに在オーストリア日本国大使館から「【緊急】ウィーン市旧市街における発砲事件発生」というタイトルで以下のようなメールを受信しました。

○2日(月)夜、ウィーン市旧市街シュヴェーデン・プラッツ付近において発砲事件が発生した模様です。危険ですので現場付近には近づかないでください、また、今いる安全な場所からの外出は控えてください。

実はこの時点で事件発生から1時間以上経過していたのですが、これは何か大きな事件かもと再びニュースサイトを開くと既にTimeline形式になって時系列で事件の詳細がありました。オーストリアとヨーロッパのニュース動画を同時に3画面開いて見ていると、Hiltonホテルに人質とか犯人は複数とか日本食レストランに人質少なくとも6箇所以上で同時多発、とか(のちに否定される)情報がどんどん流れてきます。結果的に単独犯だったのですが、振り返るとその時点での大混乱ぶりがわかります。ウィーン市警も、ウィーン市交通局も、「公共交通機関を使うな」「地下鉄もトラムも1区を通過」「1区の公共の場所から今すぐ離れて」「安全な室内にいる場合は外に出ないで」と次々にドイツ語と英語で情報を流し続けました。

この小さな街は、もはや大混乱でした。

ロンドン、パリ、ブリュッセル、ベルリン、マンチェスター、バルセロナ、ヨーロッパの主要な都市ではテロがありましたがウィーンは実に平和でのんびりしていてテロの心配などしたこともありませんでした。なので、内相が「テロの可能性が高い」とアナウンスした時には、本当に「まさか」と思いました。日本赤軍、あさま山荘事件、地下鉄サリン事件、実は挙げればきりがないほどの実はテロ・ゲリラ大国の日本から来た私ですが、本当に安心して暮らしていました。痴漢にも遭わないし。

多くの人が銃撃現場を訪れ、花やろうそくを手向けているそうですが、私は心が弱いので、しばらくSchwedenplatz近辺には近寄ることができそうにありません。

しかもこんな小さな街ですので、銃撃現場に囲まれるような場所に住んでいる人、すぐそばのレストランで食事をしようとしていて銃声を聞いた人、知人の知人の知人の・・・が銃弾に倒れたレストランの従業員を知っている人、と、全ての情報が身近です。画面に映し出される全ての景色が見たことのある場所で、歩いたことのある場所です。

けれども、ウィーン市警の迅速な対応(最初の発砲から9分後には犯人を射殺、関連施設の捜査、情報公開、市民への協力依頼)や、内相のその後の捜査経緯の正直な発表(犯人のテロにつながる機密情報を国内の連携ミスで見落とした)を聞いていると、やはりコロナのロックダウン初期に感じたような「小回りのきく正直な国」のイメージが再度上書きされました。また、国立歌劇場では外に出られない観客のために公演を延長したり、コンツェルトハウスでは警察が観客に状況を説明しに来たり、街中では帰宅できない人や逃げてきた人のためにホテルが部屋を提供したりと、助け合いがたくさんあったようです。(ウィーンフィルは、この事件の前後に日本に発ち、現在日本にいるようです。)

テロがありましたが、紅葉のウィーンは今日も平和です。そして、今も変わらずラブリーな街です。こんな緩いロックダウンで本当に大丈夫だろうか・・・という心配はありますが。

銃撃があった近辺@10月

コメントを残す