お誕生日の人の前を通って美術館へ

今日は、この方のお誕生日です!だからってわけではないのですが、目的地に向かうのに偶然前を通りかかりましたのでパシャり。

こちらに来てそろそろ5ヶ月になろうとしているのに、ウィーンを出たのは出張の2回だけ。メリハリをつけるためにもどこか旅行をしようと思っていました。でもどうしても行きたかったところは、ウィーンからの直行便がなく欧州内にも関わらずなかなか不便で航空券も高い。

結果、今週も引きこもりです。もう3月末までは仕事を終えることだけ、考えよう。そう決心しまして、気分転換にアルベルティーナ美術館に行ってきました。ピカソやモネなどの有名な画家の絵で有名なところですがまだ行ったことがなかったのです。

 

NYのMOMAに行った時に初めて認識したのですが、私は、立体のもので抽象的なものが苦手なようです。西新宿とかNYにあるでっかいLOVEとか、例えばこういうの。ぞわぞわして逃げ出したくなります。というわけで、ここは通過。

やっぱりこういうのが、素人には目と神経に優しいです。笑 すごく間近で見られたので写真に撮ってきたのですが、タッチがいい加減に感じるくらい超いい加減。なんで?っていうくらいです。どの画家も、年代で並べると独自のスタイルにたどり着くまでの試行錯誤が見え隠れしますが、行き着いた答えが素人にはわからないこともあります。私の父は、死ぬほどダリの絵が好きでしたが、私には今でもさっぱり理解できません。

 

それで、、初めて見て印象的だったのがこの人。FRANZ SEDLACEKという画家です。オーストリア人で、第二次大戦の最後に、ポーランドのどこかで兵士として消えてしまったとwikipediaにはあります。一見美しくて、近づいてよく見ると不吉な感じがして一歩引くけど、そのあとにまた面白さが込み上げてきて、3回見に行きました。

例えば1枚目、雲間からの美しい光の手前に鳥がとまってる。これだけで鳥が嫌いな人にはちょっと不吉な感じを与えて、近づくとそれは鳥ではなくて骸骨であることに気づきます。そこで一旦、ひゃっ!っと怯むのですが、よく見るとその骸骨たちが骸骨なのに表情があるんですね。物憂げだったり、考え事してたり、ぼんやりしてたり、周りを気にしてたり。どの骸骨も、不幸そうにも恨みを抱えてそうにもない。

もう一枚は、部屋にコウモリが羽ばたいている絵です。あら、なんとなく綺麗と思うんだけど、奥に不思議なシルエットの人間がオルガンを弾いています。それに気づくと一旦、奇妙な感じがして怯んでしまうんだけど、またじっくり見ると、窓からは陽が差し込んでいて暗さがないし、飛んでいるコウモリをよく見ると、めっちゃカメラ目線で、しかもなんかかわいい。さらにもう一度、オルガンを弾いている人を見ると、今度はなぜか陽気に弾いているように見えます。遠近感がおかしいようにも、正しいようにも見えます。なんだこれ。

ピカソよりモネよりモディリアーニよりルノアールより、これが一番気に入った!

 

 

“お誕生日の人の前を通って美術館へ” への2件の返信

  1. ちょっと不気味で,なんだかキリコの絵のようです。三人並んだ骸骨さん,右側の人は「今日の昼飯,どうする?」って言ってます。
    消えてしまったというのが不思議ですね。まるでマヨラナのようです。もしかしたらアルゼンチンで余生を過ごしたのかもしれません。

    1. LiLAっくまさん、なるほどー。見比べてみると、キリコさんと既視感があるのは人間の頭の形とかでしょうか。この方の絵は、キリコさんほどの異次元さがなく現実的なものの中に変なものが混ざっている感じで、ギリギリのラインで怖いもの見たさの不気味面白さでした。消えちゃったのは、単純に戦禍なのかなと思いましたが、余生を過ごしている可能性を考えるのもいいですね。

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