チェレスタの出番はいかほどだったのか

子供の頃から、予習と復習を最大の苦手事項とし、ただ気の向くままに生きて参りました。コンサートに行くとなると、事前に音楽を聴いて楽しいところを予習しておくと、より楽しめるというのは、クラシック、ロック、ポッポス・・・ジャンルを問わず広く共通します。しかし、予習が苦手な私は、よほど一発で気に入らいない限り、予習はそこそこに聴きに行って生で聴いてから、とても気に入るというパターンが多いです。今日のプログラムがまさにそれでした。

コンサートを何ヶ月も前から計画して待ち構えていることもほとんどありません。ネットで流れてきた情報や街にある広告を見て「おや?」と思って当日券や直前の切符購入で行きます。今回は、3週間前に街角に貼られたポスターを見て、広告を貼るくらいだからさてはまだチケットがあるんだな〜と思い、帰宅してサイトを開いてみると、前過ぎず後ろすぎない超ど真ん中が、1席だけぽかんと空いていました。脇とか2階席も開いていましたが、迷わずここを選択。実際に着席した時の風景を並べてみました。

 

チェレスタという謎の楽器を使う曲。今回は、事前に予習しようと思ったらすでに私のパソコンには入っていました。知らないうちに買ってパソコンにも取り込んでいたらしい。珍しく、少し予習をしました。

舞台の上に所狭しと並んだ楽器。チェレスタと思われる形状のもののほか、ピアノも、ハープも木琴もあります。オーケストラが着席して気づくと、管楽器がいません。なるほど、だって、タイトルが「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」なのでした。そして、ハープの演奏はおじさまでした。ハープといえばドレスを着た女性、というのがいかに偏見に満ちた認識だったのかを思い知りました。それにしてもなんという大所帯。

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チェレスタが片付けられようとしている瞬間

さて、演奏が始まると、オーケストラのほぼ全員(全弦楽器)の手が動いているのにすごく小さな音がホールに響いている不思議。素晴らしい強弱と展開に曲が進むにつれてどんどんと引き込まれていきます。CDで聴くのと全然違う。指揮者がいなかったら空中分解しそうな、指揮者無しには成り立たなさそうな曲です。そのうえ、曲自身にもつかみどころがありません。何かを想像して表現できる曲ではなさそうです。「ここは情熱的に」とか言語的な説明ができなさそうな曲に思えるのですが、指揮者とオーケストラの人たちはどのように理解を一致させるんでしょうか。大興奮で圧倒されているとあっという間に曲が終わってしまいました。終盤、チェレスタの人がチェレスタを離れてピアノのもとへ移動しました。どうしたんだろう?と思ったら最後のほんの一瞬だけ、ピアノ連弾でした。

はて、ところで、チェレスタの出番はそんなにありましたっけ?と思って帰宅してからwikipediaを読むとこんな説明が。なるほどです。

チェレスタが楽器編成に入っている(しかも、使用頻度の高いピアノを差し置いて、他の打楽器とは別に題名に登場している)理由としては、バルトークが民族音楽の研究に没頭していたときに接したインドネシアバリガムランによるものだという説が最有力である。

さらに、wikipediaによると、

総譜には厳密な演奏時間指定(楽譜の練習記号単位で)がされており「第1楽章:約6分30秒、第2楽章:約6分55秒、第3楽章:約6分35秒、第4楽章:約5分40秒、全曲:約25分40秒。」

とされているようなのですが、私が持っている音源ベルリンフィル+カラヤンの演奏は、これに比べると随分と長いです。もしかして、今日、テンポよく引き込まれたのはスピードのせいなのでしょうか。測ってないからわかりませんが。他の音源を探しても30分未満のものはそんなに多くありません。

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大ホール全景

え、後半?

うんとーーー。例えるならば、、、

始まりから期待させる面白そうな話だけど、まだ本題がわからないな、面白そうだけど最後まで聞かないと面白いかどうかわからないけど、ところどころ面白くて綺麗で盛り上がりもあって、でもちょっと話が長くて本題がわからなくない?まぁでもいい話なんだけど、あ、これはクライマックス?違うんだ、じゃあもっと面白いクライマックスがあるんだ、それで本題はなんだったっけ?いや、すごくいい話なんだけど、うん、すごく盛り上がるいい話だね、え?、今、話終わったの?え、うん、いい話だった!・・・でも、本題はーー・・・なんだったっけ?

というような曲でした(Anton Bruckner, Symphonie Nr. 6 A-Dur)。こちらはCDで聴いた時は結構好きかもと思ったし、演奏はとっても良かったのですが、前半の刺激が強すぎたようで、後半が薄まってしまいました。

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コンサート翌日になって、当日の写真をアップしている人がいました。チェレスタや木琴やピアノが片付けられた後の後半終了後の写真ですが、ぎりぎりの位置で自分(おっさん)が写っているのを確認しました。いえーい。

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“チェレスタの出番はいかほどだったのか” への8件の返信

  1. 弦チェレの良さが分かるとは,次はディベルティメント,二台のピアノと打楽器のためのソナタ,弦楽四重奏曲と進めていきましょう。同時にショスタコーヴィチも網羅しておけば,オケコンのどこにショスタコのパロディがあるのか分かることでしょう。
    ところで,弦チェレと呼ぶと打楽器の人がちょっと僻むようです。弦打チェレと呼べと。

    1. LiLAっくまさん、まず試しにDivertimento(これで合ってますか?)を聴いてみましたところ、大変好みでした。もしかしたら、ちょっとモールス信号みたいなところが好きなのかもしれません。Shostakovichさんは交響曲はLeningrad以外はよくわかりませんでしたが、ピアノの曲は好きでした。あとの曲はこれから追々勉強をすすめていきたいと存じます。

  2. 出来すぎた偶然!!。じつは私、昨日の夜10時ころ(ちゅうことはウィーン時間20日午後2時頃)、何年かぶりで 「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」を、猫に妨害されつつも、ヘッドホーンで一生懸命聴いていました。半世紀以上前にはじめて聴いたフリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団の演奏が最近YouTubeにアップされたみたいで。

    最近聴いたのは二年前。我が愛するJonathan Nott指揮の東京交響楽団。半世紀で演奏スタイルもずいぶん変わってきてましたが、共に超名演だと思っています。Musikvereinじゃなくて初台オペラシティーですがね(娘がそばに住んでる)。この曲、すごくバルトーク的生真面目さで緊張を強いる音楽なので、しばらく敬して遠ざかっていました。時間的に第一種近接遭遇みたいな感じですね。あとできのうのMusikvereinのプログラム調べてみよう。

    1. gonneko先生、第1種近接遭遇、感激です!!ちなみにちょうど1年前の今日は面接が終わって泣きならが帰宅していました。猫ってヘッドホンしていると聞こえないが分かっているのか、ちゃんと見えるところまで来て、妨害しますよね。そのフリッツ・ライナーさん&シカゴ交響楽団のは、かなり各楽章の演奏時間がかなりバルトークさんご自身の指定に近いです。もう一つ、同じ楽団でゲオルグ・ショルティさんのものも演奏時間が指定にほぼ忠実でした。それらを聴いてみたのですが、やはり昨日の感動が再現されるまでには至りませんでした。やっぱりあの空間で聴くのが特別だったのでしょうか。昨日の演奏を、もう一度、聴きたいです。

        1. くまたろうさん、どんな方なんだろうと興味を持ちましてwikipediaを読んできました。この頃の方はどんなに有名でも才能があっても戦争に翻弄されていますが、それでもどんな国にいてもスタイルを変えることなく正確さの代名詞になるまで愛されたというのは、面白いですね。そんな人生を目指さなくては。えっと、正確さではなくて、、です。

  3. えっえっえっ。写真よく見たらサイモン・ラトル指揮のロンドン交響楽団!!。仮に彼らが日本に来ても、「弦打チェレ」 なんて絶対やらないし、真ん中の席なら、ま~チケット37000円てとこですかね!!!!。

    1. そうなんです・・・。お値段据え置き、99ユーロ!それでも現地委員先輩に「おおー、結構奮発したねー」と言われました。よその人が昨日撮ってネットにアップしていた画像を追加しました!

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