招き猫さん

 

子供の頃、気づいたら猫が好きでした。近所に、アビシニアンを飼っている美術画材屋さんがあって、そこのアビシニアンは毎日夕方になると犬のように紐を付けてお散歩に連れて行ってもらっていました。ただし、犬と異なるのは、猫が歩くのは、大きな敷地の幼稚園のブロック塀の上であるということです。

この写真の猫は、大阪の片田舎の昭和な雰囲気のアーケード商店街にありがちな小汚い熱帯魚屋さんの店先の手書きの張り紙、

「2000円分の猫の餌のお買い上げで猫差し上げます」

と貼り紙された猫の餌のオマケについてきた猫です。今となっては笑い話ですが、本当にお小遣い2000円を握りしめて熱帯魚屋さんに行って「猫、欲しいんですけど」と言うと「じゃあ、まずこの餌買って!それから猫選んで!」と言われました。籠も持たずに行って、制服の中に暴れる猫を隠し入れて電車に乗って帰りました。親には「猫、拾ったー」と言いました。それから21年も生きました。誰かに気に入られようとか他人の目など気にせず嫌なことは嫌とはっきり言い自分の楽しいと思うことを無心に追求して自由に生きる方法は、この猫から教わったのかもしれません。長いストーリーですが短縮するとそんな猫です。亡くなって10年近くなりますが、今でも私の心の中に住みついていて、暴れたり寝転がったりしています。

DSC_1939.JPG

さて、東京に引っ越してきて最初に暮らしたのは小田急沿線の世田谷区です。仕事が遅くなってタクシーで帰宅する時によく通っていた抜け道にそのお寺はありました。「豪徳寺」。招き猫伝説で有名なお寺です。

IMG_1990.JPG

この子が亡くなって4年ほどしたある日、うちの前にちょろちょろ歩き回る野良猫がやってきて、お互いに気に入って仲良しになり一緒に暮らすようになりました。しかしその子は、腎臓に持病を持っていました。ある日、その子が死の危険がある状態まで腎臓が悪化してしまいました。毎日点滴をしても日々弱り続けてガリガリになっていきます。

その時に頼ったのが豪徳寺です。

猫のことは、猫に頼もう。

豪徳寺は、旧世田谷城跡近くにある大きなお寺です。唯一、他のお寺と違うのは、境内の奥に招き猫エリアがあることです。ここには、役割を果たした招き猫たちが帰還して(奉納されて)います。こんなにもたくさん、役割を果たした招き猫がいるなんて!!早速、私も社務所で招き猫を購入し、うちの猫の健康回復をお願いしました。そして、それから1ヶ月。みるみるうちに元気になっていくうちの猫。本当に驚きました。その時にお連れした招き猫は、今もうちの猫の健康を東京で見守ってくれています。

さて、ウィーンに単身引っ越すことになった私。願い事があるわけでありませんが、ただ幸運を招いてくれたらいいなと、私も自分用の招き猫が欲しくなりました。そして新たに招き猫を豪徳寺に調達に行き、大事に手荷物に入れてウィーンまで連れて参りました。ウィーンに到着して荷物を開いて最初に確認したのがこの子の無事です。

IMG_1514.JPG

ですが、その後の仮アパートでは、招き猫は大事に箱に入れてあったんです。アパートを決めるまでは自分で頑張ろうと思っていました。アパートを探し始めたのは、着任してから1ヶ月半ほど経ってからでしたが、アパートが決まるまで約2ヶ月、なかなか決着がつかず疲弊していました。本当にかなり疲弊しました。そんなある日、ふと、招き猫を箱から出してベッド脇のサイドテーブルに置きました。藁にもすがるってこのこと。

それからです。数日後、他機関の職員の方から苗字が同じ日本人の集まりに誘っていただき、「早速だけど今週末空いてない?」と飲みに誘って頂き、そこで良い不動産業者を紹介していただき、あれよあれよという間に決まったのが今の部屋です。招き猫パワー、すごいです。大事にバッグに入れて一緒にお引越ししてきました。今も部屋の片隅に鎮座してくれています。

どの国も縁起物があります。スウェーデンで有名なのは、ダーラナホース(Dalahästなのでダーラヘストかな?)。ダーラナ地方で作られた木彫りの馬で青や赤のものが一般的で、子供のおもちゃだったものがいつか子供の守り神となり幸せを運んでくる馬となり今ではスウェーデンを代表するシンボルグッズになったのだそうです。こんな小さくても手作りのものは1つ2000円ほどします。それでも欲しかったので買ってきたのがこの子たち。もううちに来て6年ほどになります。

IMG_7425.JPG

今年のお正月、一つ見落としたのが豚です。ドイツやオーストリアでは幸運のシンボルは豚なのだそうです。お正月に出ているマーケットでは売られていただそうです。日本で干支の飾りや七福神が売られているようなイメージでしょうか。来年は、豚を手に入れるところから始めたいと思います。

 

 

“招き猫さん” への2件の返信

  1. 二十センチほどの木製エネメル塗りの鶏。トサカは赤く体は渋青、模様もダーラナホース似。ずっと前から我が家におりましたが、昨年の引越し以来ゆくえ不明となりました。あれダーラナニワトリだったのかも!

    1. gonneko先生、検索してみるとダーラナロースターなる商品が!(https://www.aterior.com/html/sw167.htm)ダーラナホースの派生でしょうか・・・。うーーん、、でも、ストックホルムのお土産物店では、見たことがないように思います。もしかして希少品で、お宝探偵団に出すと本物の雞が買える値段だったりしませんでしょうか。

wienerwald へ返信するコメントをキャンセル