もう数週間前になりますが、ウィーンから南に車で1時間20分ほどの場所に集中的にトレッキングルートがいくつもあり、それぞれの登山口の様子(駐車場の大きさや場所)を確認してまわる旅に行ってきました。ついでにちょっとだけ山歩き。
で、最後に選んだのが、以前から来てみたかった場所です。

ガイドブックなどにもよく書かれていますが、ウィーンの水道水は南部の山から2系統のパイプラインで届けられている素晴らしいものです。実際、私もそのまま飲んでいます。世界では水道水が飲める国は少ないので、旅行に来ると水を買う人が多いですが、ウィーンを含むオーストリアでは不要です。
その水源になっているのは、もちろんドナウ川・・・ではありません。
The spring water originates in the Lower Austrian Limestone Alps. The spring zone of the 1st Mountain Spring extends across the Schneeberg, Rax and Schneealpe mountains, while that of the 2nd Mountain Spring water main comprises the Hochschwabmassif. The protection zones designated for water resource conservation encompass an area of approx. 700 square kilometres.
Drinking Water for Vienna
水源地の一つで有名な場所がRax-Schneebergエリア。かなり観光地化されていて行きやすそうだしロープウェイで一気に標高をあげることもできます。初心者の一歩目として最適そう!
ガソリン満タン。一路、南を目指します。


駐車場のすぐそばの橋から下を覗くと、水が・・・水が・・・水が・・・
めっちゃ綺麗!!!!

それもそのはず、こここそが、ウィーンの水道水の水源なのです!大昔、どんどん膨張するウィーンの街、人々の活動で井戸水や地下水は汚染されていて感染症の原因となっていました。地質学者がこの水をウィーンに届けられないかを考えたのだそうです。ウィーンまでの距離は100km。時はフランツ・ヨーゼフ1世の時代。なんとパイプラインを引くことにしたそうで、1873年のウィーン万博で、ウィーンの有名な噴水、Schwarzenberg(シュヴァルツェンベルク広場)の噴水に噴き出したんだそうです。現在は別の山脈からとの2系統のパイプラインがあります。当時使われていた水道橋は、ウィーン近郊のあちこちで今も見ることができます。
よくよく標識を読んでみると、水はウィーンまで36時間で到達するんだそうな。一緒に流れていったら36時間でウィーンまで帰られる!


と、あちこち回ってきてお昼は過ぎていますが一応トレッキングの格好で来たのでロープウェイで上がってみることにしました。

そこには立派な小屋とおくつろぎ施設があります。


高山植物を眺めながら歩くこと30分ほど。アザミなんだろうけど日本の高山のそれとは大きさや色の濃さがちょっと違う、トリカブトっぽい色と花だけど葉が全然違う、日本にもありそうでなさそうな花々です。高山植物の本も買わなければ。







一方、気になるのが登山道の保護。日本でも、高山植物の保護のために木道があるのになぜか木道の外を歩く人がいたりします。ぬかるみやすいところを避けるために脇にもう一本道ができていたりします。その結果、登山道がどんどん広がってしまうのです。砂利道が歩きにくいのはわかるのですが、誰かが歩いて行った結果、こんな風にもう一本の登山道ができています。何が起こるかというと、これが繰り返されていくと高山植物が失われていきます。どうせ冬はスキー場になるんだからとか気持ちはわかりますが、全く道のないところをショートカットしていく人も。歩くのが嫌なのに山に来る意味がよくわからない・・・。せめて注意書きくらいあってもいいんじゃないかなーと思ったりしました。私、ドイツ語読めないけど。



あっという間に次の小屋にたどり着きました。

なかなかの眺めです。


霧ヶ峰のようにグライダー(駆動系なし)も飛んでいます。

紅葉の時期も良さそうな場所です。混みそうですが、近いし、また来たいと思います。チロルの方はすでに初雪の便りもあり、あっという間に夏が終わってしまいそうな、季節の変わり目を感じる雨続きのこの頃です。
