この街にはBall(舞踏会)という文化が今も根付いています。1月から2月はそのシーズン。これは、実はCarnivalを祝う祝うもので、ウィーンでは450ものBallがこの時期に開催されるようです。医者のBall、法曹界のBall、様々な業界団体のBallがあります。去年、この時期にデパートのショウウィンドウを見て「なんでドレス売ってるんだろう?」からのBallという文化が今もあることを知りました。でも、若い人のためのもので、私はカンケーないしと思っていました。それが今年は、急転直下、2月のはじめ、なぜかBallに行くことに。
そこに至るまでの2週間ほどの流れとドタバタ劇がとても面白いのですが、これは公開することでもないのでちょっと置いといて、私の中での温かい思い出としたいと思います。心の中でずっと感謝しています。
さて、行くとなったら衣装が必要です。ドレスコードは、男性はタキシードに蝶ネクタイ、女性はイブニングドレス、もしくは民族衣装(正装)です。これは厳密ですので、短いドレスはNG。皆んな「着物!着てきて!」と簡単に言いますが、着物では踊れません。踊らないけど。そもそも浴衣しか持ってきていませんし。ってなんで浴衣をウィーンに持ってきちゃったんだろう。
私はオッサンですが、ドレスを着ることに決めました。ドレスのレンタル店もあるのですが、安くで売っているドレスと比較するとそんなに値段が変わりません。ならば買う方が選択肢が多い。幸い、この時期、どこのデパートにもドレスコーナーが展開されています。これが壮観。
私の行ったデパートでは、だいたい色ごとに並べられています。白はDebutanteのためのものですので、除外。
この時期は、ドレスを調達する女性でごった返していて、みんな友達や彼氏や家族とワイワイ来ている中、一人で黙々とドレスを選びます。オッサンなので。
とりあえず、サイズがわからないことにはどうしようもないので、試着してみます。いいな、と思っても着てみると似合わないのは世の常です。やけに派手なものが意外に似合ってしまって一人で苦笑い。だいたいそもそもアジア人にはこんなもの似合わない。着ては落ち込む繰り返し。
ドレスが決まると、ちょっとオネエ語を話す店員さんにお願いして裾をカットしてもらいます。この時、ヒールの高さがわかっていないといけないのでヒールを事前に決めておく必要があります。すると、こんな謎の木の切り株に乗せられて、謎の装置でチョークを吹き出してカット位置をマークして針で固定してもらいます。
カットには基本的に1週間かかるとのことですが、急ぎの仕上げも可能です。私は日時が迫ってからだったので4日でお願いしました。
当日。
これまた、初めて、しかも一人で参加するという私を気遣ってくれた温かいオーストリア人に面倒をみてもらい、基本的なBallの仕組みなどレビューしてもらいました。
大きな会場の他に、他にもあらゆる音楽(Swing, Salsa, Pop/Rock, Reggae, Silent Disco…etc)の部屋があります。最初に、一番大きな会場で1時間ほどの開会イベントがあります。その後、各部屋でのダンスパーティーが朝4時まで続きます。
朝4時?
は???と思いましたが、そういうものなのだそうです。
Silent Disco??
みんなでヘッドホンで音楽を聴いて、誰が何を聴いてるかわからないけどとにかく踊る部屋。
最初のイベントはバグパイプの演奏から始まり、オペラやら、もうなんでもあり。
そして、お待ちかねのDebutanteの舞が始まります。本当に美しい。この日のために、どれだけ練習したんだろう。
そして、Debutanteの舞が終わると老若男女入り乱れて大変なことになります。この時、すこーーーしだけ踊りました。練習会にも行ったのに、本番になると緊張で忘れるのは何をやっても同じです。
そして、私を呼んでくれた人を探したり、同僚さん達とあちこちで会ったり、その団体にしばしくっついて飲んだり踊ったり。普段職場で一緒に仕事をしている人たちやその家族が、超ネクタイしてたりドレス着て美しい化粧をしていたり、お互いを称えあって「ドレスどこで買ったのー?」「そのバッグかわいいね」「蝶ネクタイよく似合ってる!」「あっちの部屋、今めっちゃ面白いらしいよ」「踊りすぎて汗でびっしょり!」などといい歳して、みんなとても楽しそうです。
誘ってもらった(チケットも手に入れてもらった)お礼に、どうしてもワインをご馳走させて!とお願いして一同分のワインを調達に行った時のこと。私が「財布がスペシャルなんだけど、気にしないでね」と言ってこれを出しました。財布がジップロック。
まず絶句してから「出すな!それ!!」と言って笑いが止まらなくなってしまったフランス人。スキーとか行く時するじゃんね、とか、バッグが小さくて普段の財布が入らないんだもん、とか説明するも、爆笑したまま止まりません。一度落ち着いてもぶり返してくるようで、フフフフフ、とずっと笑っています。そんなに爆笑するほど変でしょうか。そんなに笑わなくても〜・・・w いや、でも笑いを提供することができて良かったです。
そして、これだけは見たかった、壮大な人数での一大ダンス。
私はこれだけを見て、1時ごろに飲み過ぎ+眠い+疲れで、帰宅することにしました。なんだかシンデレラの気分です。誰も追いかけてこないけど。靴も脱げなかったけど。12時過ぎてるからとっくにオッサンに戻ってたけど。
コロナウィルス騒ぎの前で本当に良かったです。













