だいぶ前になりますが、パリ訪問の際に初めてルーブル美術館を訪れました。もちろんモナリザなんかも見たのですが、私の中のマリーアントワネットに出会った話。
ルーブル美術館、丸一日かけて回ることにしたので隅から隅まで見て回りました。
そこで、最後の方、人もまばらな奥の方の部屋で見つけた一枚の絵。
「あ!!!マリーアントワネットの絵だ!!!!」
しかし、近づいて左下の説明書きを読んでみるも、全くマリーアントワネットとの記載はありません。Jean Honore Fragonardという人のL’Etude(エチュード)という作品です。
え・・・・なんで???
マリーアントワネットじゃなかったっけ・・・・?
異様なモヤモヤ感が私をその場から離さない。
そして、その近くの絵。
そしてさらにその近くの絵。
これら全てにすごく見覚えがあり、既視感どころじゃないのです。有名な絵なのかと調べてみるも、全くそんな感じでもない。展示されているのもルーブル美術館の奥の奥。Googleさんに問い合わせてみても、美術マニアでもない限り、誰も知らないようです。
でも、あれはどう考えてもマリーアントワネットの絵だったよねぇ・・・。私がマリーアントワネットを思い出す時は必ずあんな顔が出てくるもの。だからウィーンでマリーアントワネットの幼少の頃の絵を見ると、何か違和感があったのです。しかしマリーアントワネットはともかくとして、他の絵は一体どうして知っているんだろう。何度も何度も何度も何度も見た記憶があります。
しばらく歩きながら考えます。
そしてふと、
ここはルーブル美術館・・・
ルーブル美術館・・・
ルーブル美術館・・・
ルーブル美術館展ってのに行ったことがある!!!!
そして、同時期に遠藤周作の「王妃マリーアントワネット」を読んでいた!!!!
ということに思い当たりました。
あれは、高校生の頃、有名美大に進学した友人と一緒に神戸までルーブル美術館展を見に行ったのです。外国人など見たこともない大阪の片田舎の高校生です。遠藤周作の小説に出てくるマリーアントワネット。そして同時期に、ヨーロッパから来た可愛らしい絵を見て、マリーアントワネットってこんな人だったんだろうなぁ〜と思ったことが、そのままマリーアントワネットの絵として記憶に定着していたのではないかと推測することができます。
どういう経緯で友人と一緒に行ったのかも覚えてないけど、そうだ、その時に確か、展覧会の本を買ったはず。でも、長いこと自分の本棚で見た記憶がありません。大昔に売ってしまったのかもしれない。でも、間違いなく持っていた記憶があります。ウィーンに帰宅して本棚を探すも、本棚にはやはりありません。しかし、
どうしても記憶を確かめたい。
調べてみると、1993年に横浜市美術館にて「ルーブル美術館200年展」という特別展が行われ、その後、神戸市立博物館でも行われたらしいことがわかりました。さらに探してみると、なんとAmazonに「ルーブル美術館200年展」という本を見つけました。表紙に間違いなく見覚えがあります。なんとか海外発送をしてくれるところを探し出して発注して到着(船便)を待ちました。
鮮やかに蘇る記憶。
このふてぶてしい表紙(この人は本当に王妃)、厚み、この本、何度開いて眺めていたことか。そしてこの私の中でのマリーアントワネット絵を「かわいいなぁ」と、何度眺めていたことか。そして、実際のルーブル美術館で見て異様な既視感を覚えた絵が全て見つかりました。
そして、本物のルーブル美術館では見つけなかったこの絵。少女が風景画のキャンバスを前に座っているだけのこの絵・・・。27年前の記憶が鮮やかに蘇ります。
何度模写しようと試みたことか。油絵で何度も何度も模写を試みました。全然この背景の色やスカートやリボンの色が出せなくて、全然うまく描けなくて、捨ててしまった絵です。このページを開いた瞬間、一気に17歳の自分に引き戻されたような新鮮な記憶。どうしてずっと忘れていたんだろう。どうしてこの本、手放してしまったんだろう。今度ルーブルに行くことがあれば、この絵を探そう。
そして、急激に懐かしくなり、遠藤周作の「王妃マリーアントワネット」を読もうと本棚を探してみるも、全く見つかりません。遠藤周作が一冊もない。「反逆」も、「沈黙」も、「深い河」も何もない・・・。多分、遠藤周作は母親も好きだったので母親が持っているだろうと、金銭難の博士課程の頃に売ってしまったのだと思われます。
また机に戻り、ルーブル美術館展の本を開きました。昔の(タバコを吸っていた時代の)自分の部屋と同じ匂いがする。何だか懐かしいなと、ふと1ページ目をを開くと、チケットが2枚挟まっていました。しかも神戸開催分のものです。私は、今でもスキー場のリフト券からコンサートのチケット、思い出深い旅行では飛行機のチケットまで残しているタイプなんです。そして、この2枚、鮮やかに、思い出す。友人が要らないと言ったチケットを奪い取って本に挟んだことを。時々、チケットが無くなっていないかチェックしていたことを。
これ・・・私が持ってた本そのものじゃない・・・?
Amazonの履歴から発送元の古書店を調べてみると、大阪府。真偽を確かめる術などありません。このチケットから指紋採取するしかない。でも、、、そうだったら楽しいなぁ。
それはそうと、遠藤周作が読みたい。






面白い!これだけで一編の掌中小説ですね。
Gonneko先生、思わずネットで「自分で指紋採取をする方法」を調べてしまいました。私は自分の記憶のいい加減さにいつも呆れています。