スイス、ドイツ、オーストリア3国にまたがるBodenseeを一周してみようという企画です。
当初は「天気が悪ければ中止もありかな」と考えていました。しかし、出発の1週間前になると別の意味で危機が訪れます。ちょうど旅の日程が、ヨーロッパ全体を襲った約2週間にわたる熱波の最後の3日間と重なり、過去最高気温を更新する可能性まで出てきました。荒天なら中止を考えていましたが、まさか「暑すぎる好天」になるとは思いませんでした。
結果から言うと、2日間で約120kmを走ってボーデン湖を一周できました。ただし、想像していたのは夏の湖畔の素敵なサイクリング旅行でしたが、実際は「酷暑の中で何とか達成できたライド」でした。
旅程
2日で無理なく湖を一周し、万が一どちらか1日が雨でも対応できるように予備日を設定しました。最後は少し観光も楽しめるように、3泊3日(うち夜行列車1泊)の計画です。
金曜日:夜行列車でWienからBregenzへ
土曜日:BregenzからKonstanzへBodenseeのスイス側を自転車ライド70km
日曜日:KonstanzからLindauへドイツ側を自転車ライド50km
月曜日:(予備日)LindauからBregenzへ自転車ライド10km→午後の電車でBregenzからWienへ
以下が実際に走った記録です。Bodensee北部は回らずにKonstanzからMeersburgにはフェリーを利用するルートを選びました。
0日目:NightjetでWienからBregenzへ
1日目:灼熱の中、BregenzからKonstanzへ70km
10:00 すでにびっくりするぐらいの酷暑です。
気温は34℃近く。日本の方が湿度も高く、気温だけを見ればもっと暑い日もありますが、ヨーロッパは日差しが非常に強く、太陽が高い時間も長いため、体感ではかなり厳しく感じます。
スーパーに寄ったりで湖には向かわずにまっすぐスイス国境を目指します。

オーストリア→スイス
この旅では、オーストリア→スイス→ドイツ→オーストリアを陸路で移動するのでパスポート必携です。まずはスイス国境へ。国境は特に検問もなく、そのままあっさりスイスへ入りました。


11:00 1時間弱ほど走ったGoldach付近でようやく湖岸に出ましたが、暑さに耐えきれず日陰で最初の休憩。
この時点では水はとてもきれいに見え、「暑いし泳ぎたいな」と思いながらも、まだ走り始めたばかりだったので景色だけ楽しむことにしました。


11:30 なぜかこの時点でお昼に近くなっていたのと、朝ごはんがパン一つだったので早速ランチ休憩。Goldachの街の港・駅が一体になった駅のホームに面したレストランでランチ。ここで食前酒としてほんの少量だけ飲んだFragolino(フラゴリーノ)というスパークリングワインが最高に美味しかったです。



12:30 再び出発して走り出すも、とにかく暑すぎて暑すぎて水に入って身体を冷やしたい。次に水辺に入れるところがあったら入ろうと決めていたところ、すぐに良さそうな場所を発見。汗だくでTシャツもびっしょりで着替えるのも一苦労でしたが、隠せているとか関係ない。早く水に入りたい。急いで水着に着替えて、そのまま湖へ飛び込みました。10kmほどの違いしかありませんが、先ほどの場所よりもだいぶ水質が悪いというか濁っていますがそんなの関係ない。とにかく身体を冷やします。といっても水温もかなり温めです。


9時にBregenzに着いて60kmほどの距離なら昼過ぎにはKonstanzに到着して時間を持て余している予定だったのですが、なぜかまだ半分も来ていません。

13:50 再び出発するも暑くてすぐになくなる飲み物を調達すべく、またすぐそばのRomanshornにあるスーパーマーケットへ入店。冷房が幸せすぎてまた冷却休憩。
再び出発するも暑くてまた入水したくなって止まってみるも水質が最悪。木陰で休憩。
17:20 どこでどう時間を費やしたのか、なぜこんな時間になっているのかもはや意味不明です。昼すぎにはKonstanzで時間を持て余して泳いだりビールを飲んでいるはずだったのに。
でも暑すぎてBottighofenで再びビーチを見つけて入水。

スイス→ドイツ
18:00 再び走り出します。スイスからぬるっとドイツに入り、すでにKonstazの街には到達しました。なぜかすでにランチを摂ってから6時間も経過していて、宿に到着する前に何か食べたくなって夕食探索を始めました。
汗かいてミネラルバランスがぐちゃぐちゃになっていた日本人は、塩辛いものを求めてノリでラーメン屋を探してみたら本当にあったので行ってみることにしました。たまたま見つけて行ってみたRame Tasumi-teiさん。日本人の方がやっているようで、とても美味しかったです。




19:00 Konstanzの旧市街を歩いてみるととても可愛らしい街並みです。







19:30 宿に向かおうかと思ったところでまた入水したくなって、夕暮れの河口で再びの入水。



20:15 スーパーに寄って宿に着いたときには、行動を始めてから11時間も経過していました。合計の距離は70kmを超えていましたが、それにしても時間がかかりすぎです。疲れ果てて、そっこー就寝して2日目を終えました。
ちなみにこの日のウィーン市内の気温は40度に達しました。
2日目:灼熱の中、KonstanzからLindauへ
KonstanzからMeersburgへフェリーで移動
9:30 朝からフェリー乗り場を間違えました。

事前に購入したフェリーのチケットとは別のフェリー会社が運行するフェリー乗り場に、疑いもなく行ってしまったのです。
- チケットを購入したフェリー会社(BSB)のホームページ:https://www.bsb.de/de
- 間違って行った公共フェリー会社ホームページ:https://www.stadtwerke-konstanz.de/
前者はBodensee全体の長距離線運行会社で、後者はローカルなKonstanzからMeersburgへ渡るだけの定期運行船。この二つのフェリーは出発地点が違うのです。
それを知らずに(よく調べずに)Google Mapで見つけたフェリー乗り場を目指して出発してしまいました。予約したフェリーの出港時間は9:40、到着するとフェリーの時刻表の表示は9:30。しかも会社のHPとはロゴなど雰囲気が全く異なります。
近くの別の場所にフェリー乗り場があるのかと、ちょうど到着した船から下船してきた車が掃けたところでセキュリティのおじさんに「このフェリーの会社の乗り場どこですか?」と携帯でチケットを見せて尋ねると、苦笑いしながら
「それはDownTownの方に乗り場がある。Meersburg行くの?まぁいいよ、これ乗れよ。」
「え???ここじゃないの???DownTownって街の方ってこと???」
「そうだけど、いいから乗れって。Meersburgだろ?」
「そう、でも、え???だって、チケット違うでしょう??」
「いいから乗れって。もう出るから早く乗れって」
「自転車も乗せられるの?3人なんだけど」
「いいから乗れってば。笑 自転車は真ん中通って!」
「、、、はい、、、」
ということで、違う会社のチケットなのに追加料金なしで乗せてくれました。よくあるトラブルなのかもしれません。ありがたく自転車も車と一緒にデッキに乗せてもらいました。同じルートを走る場合は、フェリー乗り場に注意しましょう。



この日も酷暑でしたが、走り出した船の上を通り抜けていく湖の上の風は冷たくとても気持ちよかったです。


30分ほどで対岸のMeersburgに到着しました。
Meersburgからリゾート島Lindauへ
この日も酷暑。
10:15 フェリーでわたったMeersburgあたりの水質が良さそうだったので早速泳いでみることにしました。


水がとても綺麗な感じで、浅瀬もあって、公園も人が少なくて、快適に入水すると、ここにもいたあの貝、Quagga-Muschel。

12:00 ランチを食べようとFriedrichshafen付近を彷徨っていたところ、話しかけてくれたおばあさま。最初は何か文句を言ってるのかと思ったら、「何か困ってるのー?」と叫んでいたようです。レストランを探しているだけなんだけどと言うと、おすすめイタリアンを教えてくれようとするけど、一緒にGoogle Mapを見ても出てこなくて、店名が思い出せない様子。
その間に、彼女がこの街に60年暮らしていること、昔ここは全部公園だったこと、この周辺は友人の一家が土地を持っていたことなんかを懐かしそうに教えてくれました。なぜかわかりませんが。暇だったのかな。話し相手が欲しかったのかな。すごく素敵なおばあさまでした。
今回、ドイツ側では、立ち止まって地図を見ているだけで「どうした?道わかる?」と話しかけてくれる人が何人かいて、なんかドイツのイメージが変わりました。こういう何気ない出会いがあるのも面白い。


Friedrichshafenで見つけたZeppelin号の博物館
ずっと気になっていたBodenseeの周りをふわふわと周回している飛行船。と、ある街に到着した時に飛行船にちなんだ商品やオブジェがあちこちにあったりお土産物屋さんで売られている絵葉書が飛行船だったりしました。

そしてふと目に入った建物がZeppelin(ツェッペリン)博物館。
Zeppelin、Zeppelin、Zeppelin、、、あ!そんなのあったな!Zeppelin号ってやつ!!まさにそのZeppelin飛行船発祥の街がここでした。



Zeppelin飛行船は、Zeppelin伯爵が開発した世界初の実用的な硬式飛行船で、20世紀前半の航空史を象徴する存在だったんだそうな。1929年には世界一周飛行の途中で日本にも飛来して話題となったんだそうな。現在もこのBodensee周辺では最新型Zeppelin号が運航されているようです。
暑すぎてアイスを食べたり、ジュース買ったり、日陰で休んだり、



さくらんぼを買ってジュース飲んで休憩したりで、この日もかなりの時間を休憩に費やしての50kmです。


Lindauの街
この日の宿泊地であるLindau(リンダウ)は、ボーデン湖に浮かぶ小さな島に旧市街が広がる、ドイツ・バイエルン州最南西部の街です。 9世紀まで遡る歴史を持ち、色鮮やかな旧市庁舎や中世の塔、石畳の路地が残っていてとても可愛い街でした。港の入口には獅子像と白い灯台が向かい合っていて、湾を形成しています。




超ベストポジションにある湖畔のホテルにチェックインして、自転車を謎の立体式駐車場に埋め込まれた立体駐輪場に駐車し、街観光と夕食へ。


さらに、部屋のみのためのビールを調達しに行こうにもドイツも日曜日はスーパーが閉店しているので、駅の売店で初めてみるドイツブランドのビールとラドラーを購入しました。暑さに疲れ果てていますが、ホテルに付属しているプールで身体を冷やしたりしているといつも間にか外は嵐になっていました。


嵐が通過して落ち着いてから、夜の波止場の雰囲気を楽しみにのんびりと外をお散歩して、風に吹かれて大人の週末感をじんわりと楽しみました。こんな旅がいつまでもいつまでもできればいいなぁ。




3日目;LindauからBregenzへ
翌朝、獅子像と白い灯台の両側を回ってみました。





最後にもう一度、旧市街を歩いて、Lindauの街にお別れです。ここからウィーンに戻る電車に乗るBregenzまではもう10kmほど。のんびりと走りだします。




3日目;大雨を抜けてWienまで7時間の電車
再びオーストリアの西から東へ電車で大移動です。冬にはよく訪れるスキー場のあるエリアを通過し、いくつもの雷雨の中を通過し、電車は定刻でウィーンに到着しました。



暑さに苦労をした旅でしたが、雷雨には遭うこともなく帰宅することができました。暑さに疲れたけど充実した大人のサイクリング旅でした。もっともっとオーストリアを走り回りたいなぁ。
番外編:旅の最後に待っていた再びの虫刺され
LindauからBregenzに向かう途中で最後にもう一度、湖で休憩しようと湖畔に降りて日陰に自転車を停めようとしたその時、腕になんか縦長のハエが留まっていることに気づきました。ハエを追い払おうとしたその瞬間、チクっ!
え、、、? ハエに刺された・・・
と思ったらみるみる膨らんできます。
かゆーーーーいい!!!!
でももうすぐお別れになるBodenseeを最後の瞬間まで楽しまねばと水辺を歩き回りました。


その後分かったこととは、どうやらあのハエはハエではなく、日本にもいるアブというやつらしい。英語ではHorse Fly、ドイツ語ではBremse Fliegeと呼ぶようです。この一瞬のチクっで再び腕がパンパンに腫れたのでした。クリニックで処方されたアレルギー薬と抗生剤を5日間、四日四晩、腕を氷で冷やして過ごしました。


2週間経った今もまだ痒いです。ちなみにその前の週に刺された背中もまだかゆいです。
