
Kungsledenのような長いトレイルでも、基本的なことは日本での登山と同じです。ここでは基本的なことをまとめようと思います。
他には以下の準備編と装備編もあります。
マナー
自然を大切に
洗剤や歯磨き粉など自然に分解できないものは、野営の場合は基本的使うべきではありません。山小屋では汚水タンクがありますが、野営の場合はそのまま自然に垂れ流しになってしまうためです。野営の場合のマナーを少しだけ紹介しておきたいと思います。
野営

National parkを除いてどこでも野営できるのがKungsledenの醍醐味です。自然豊かな環境。できるだけ植物を痛めないように設営しましょう。
焚き火

野営をするときには直火での焚き火も禁止ではありません。実際、あちこちに焚き火の跡がありました。しかし、実際には燃やす木は持ち歩かざるを得ないし、着火も結構大変。風も強く日の管理も大変。実際には、焚き火で暖をとるというのは難しいです。
焚き火をした場合は、しっかりと砂をかけて消火しましょう。スウェーデンも昨今は山火事と無縁ではありません。
石鹸類

Kungsledenは完全なる自然環境です。自然に還らないものは置いてくるべきでも放置するべきではありません。ティッシュ一枚もですが、歯磨き粉、食器洗い・洋服用洗剤、市販のボディソープやシャンプーなんかも禁忌。石鹸に関しては、自然に存在する成分だけで作られた石鹸や、自然に還ると言われている類ならOK。100%天然成分ってことは難しいでしょうし、そもそも虫除けスプレーなんかも使っているわけなので。完璧を目指さなくても良いかと思っていますが、以下のようなものから選択すれば良いのかなと思っています。
- biodegradable(自然に還る)soapとして売られているSea to Summitのもの
- 生分解性が高いとされるDr BronnerのMagic SoapなどのCastile Based Soap
特にMagic Soapは実際に使ってみて泡立ちも泡切れも良くとても良かったです。
トイレ

糞尿に関しては、人間も動物です。基本的には埋めてしまえばOKとされています。そのため、野営の場合はスコップを持ち歩くことになります。10-15cmほど掘って埋めればOKです。当然のことながら、使ったティッシュペーパーは持ち帰ります。この点で言うと、
- どうせならウェットティッシュを使う
- モバイルビデを持ち歩く
なんてことでティッシュの使用量を削減することが可能かと思います。ティッシュは、普通のトイレットペーパーを持っていくのが一般的です。芯を取り除いてパッキングしやすいように折りたたんでジップロックに収納して行きました。
また、ゴミ袋は食用ゴミと分けて分類して持ち歩きました。
ゴミ
当然のことですが、ゴミを置いていくのは厳禁です。ゴミは全て持ち帰ること。
最終的に市街地に近い最後の大きな小屋まで行けば、ゴミ捨て場があります。ゴミは紙・プラ・缶など分別するようになっていますので、あらかじめ分別して持ち歩くのが良いと思います。ちなみに5.5日、生ゴミ持って歩いてたらそれなりに匂いました。
小屋での行動
日本の山小屋での行動とほとんど同じです。洗剤や歯磨き粉など自然に分解できないものは使うべきではありませんし、夜21時以降は静かにしましょうというようなことはそのまま適用されます。
小屋はありがたいことに8ー20時で営業してくれています。20時までに小屋に到着すれば、なんとか部屋がゲットできるかもしれません。(繁忙期は予約必須)テントを張る場合でも小屋にお金をちゃんと払いましょう。
夜間早朝は静かに
私が使った2か所の小屋では、22時ごろには就寝モードに入り、朝は6時ごろから騒がしくなっていました。個室であっても壁の薄い作りがほとんどですので静かにしましょう。ほとんどの小屋が木造なので物音も響きます。
山小屋での水の処理
私が使った山小屋では、まずキッチンの上に上水が青色のシールが貼られてバケツに入れられていて汲んで使えるようになっていました。

洗い物をする際には四角のバケツを使って少量の水で洗います。洗剤は小屋で用意されている自然分解する物を使います。そして汚水を赤色のシールが貼られたバケツに入れます。

このバケツは、自分が使った水は屋外の汚水タンクに入れに行きます。
この際、入って良いのは水分のみ。食べ残しのパスタのカスとかは混入させてはいけません。それらはゴミとして持ち帰りましょう。
山小屋でのトイレでも紙は持ち帰る
トイレはほとんど屋外に孤立して数個並んでいる、いわゆるボットン便所です。ティッシュは自分で持ち込み、持ち帰りましょう。ティッシュを捨てるべからず。
山小屋でのトイレの鍵
トイレにはのぞき窓が付いているパターンが多く、中に人がいるかどうかは窓から覗くしかありません。(ほとんどのケースで、出入りを見ておくので、その必要がないように行動すべきです。)
ただ、一つの山小屋の例ですが、こちらの山小屋のトイレでは外に鍵が付いていました。これの意味するところは、鍵がかかってる=中に人がいない、鍵が開いている=中に人がいる、です。「なるほど!!」となりました。

小屋周辺でのテン泊
小屋周辺でテン泊するメリットはトイレが使えること。あとはお金を払えばサウナなども使えます。テン泊の場合も場所の利用費をきちんと支払いましょう。
挨拶
すれ違う時には漏れなく挨拶しましょうね。いろんな国の人がいて楽しいですよ。
木道の譲り合い

木道がたくさんあります。時にはかなり長い距離を進む木道もあります。譲り合って進みましょう。
歩き方
水の確保
水が無くなると調理ができませんし、たとえ寒くても水無しでは生きていけません。というわけで水の確保は主要課題です。Kungsledenは幸いなことにStreaming water(水の流れ)がいたるところにあり、ほとんどのケースで問題になりません。
それでも、一部の開けた場所でしばらくの間(5-10kmの区間)水の流れがないところや、流れのない水(溜まってるだけの沼や湖)しかない場所が続くところがありました。水場となるだろう主要な川の流れは事前に地形図で確認して行動することが必須です。また、野営する場合は水場に近いところがいろいろ楽です。
スウェーデンの観光局(STF)では、流れている水のみならず湖の水も飲めると言っています。しかし、やはり自然の環境です。気になる人はフィルターを使うべし。

だいたいの目安として、夕方からテントで一晩過ごして朝もご飯を食べて顔を洗うのに2Lほどの水が必要です。テント近くで水場がない場合は最低でも2Lは確保してテントを設営しましょう。
電力の確保
大基本として、Nikkaluokta、Abisko Turiststationを除くKungsledenの山小屋には電気が来ていません。なので行程中に充電することはまずできません。従って、十分な電力を持っていくか自己発電する以外に方法はありません。
大容量モバイルバッテリーとソーラーパネル
私は以下のようなソーラーパネルをつけて歩いていましたが、曇り空の日がほとんどでなんの役にも立ちませんでした。週に1日でも晴天の日があれば、携帯やGPS時計、カメラ程度であれば充電できたのではないかと思います。
ソーラーパネルを使う場合でも、それぞれの機器に直接充電するのではなくモバイルバッテリーに充電してからそれぞれの機器に充電するのがポイントです。

手巻き式充電器
手でハンドルを回して充電するタイプのモバイルバッテリーが売られています。これ、災害時なんかにもとても役立つのではないかと思いますが、実際に使ってみると大変でした・・・。

めっちゃ高速で回したり、二人で交代して2-3時間喋りながら回して、やっと携帯+GoProをちょっと充電できる程度でした。相当な覚悟で回さねばなりません。
病気・怪我対策
自己完結であることがKungsledenを歩く基本です。装備をしっかり確認しましょう。私が思うKungsledenでありえる一般的な怪我や病気は以下のとおりです。
- 水脹れ、靴擦れ
- 歩きすぎて関節炎
- 日焼けによる疲れ
- 寒さで風邪ひく
- 渡河や岩場歩きで足をくじく
- シンプルに転んで怪我をする
- テント設営などの屋外作業で傷ができる
- 疲れて動けなくなる(歩けないほど足が痛い、しんどい、無理・・・)
- 装備不良で雨に濡れて低体温症
- 虫刺されでアレルギー症状や感染症
水脹れ対策
Kungsledenは天候が変わりやすく、雨を完全に避けるのは難しいです。従って、雨具などの濡れ対策が需要です。寒さ対策を除くと、ケガの観点でいうと一番懸念されるのが水脹れや靴擦れ。この対策のために重要なのが靴下を濡らさないこと。濡れた靴下を履き続けないこと。容易く水脹れになります。ローテーションする靴下を持っておきましょう。
日焼けと日焼け疲れ対策
日焼けって疲れますよね。目に紫外線が入ると、それが脳へ伝わり、活性酸素が大量に分泌されて疲れた気分になるらしいです。疲れると集中力が低下しちょっとした段差で転んだりとリスクがあります。従って、日焼け対策をして歩きましょう。真正面から真夏の沈まない太陽の光を浴び続けると、目も焼けます。UVカットサングラス、帽子。必須です。
虫対策
虫といってもほぼ蚊の対策です。6月から8月はじめにかけては蚊の対策が肝。特に蚊に刺されて腫れるようなアレルギーがある場合は特にです。スウェーデン(北欧・北極圏)に蚊?寒いからいないんじゃないの?と思うかもしれませんが、アラスカやアイスランド、北極圏の各地は蚊がすごいんですよ。ググってみてください。
DEET50%のスプレーが最強ですが、テントの近くやハードシェルには使わないように気をつけましょう。
転倒・疲れ対策としてトレッキングポール
ULハイカーで荷物が10kgを切るなら別ですがあってよかったものの一つでした。私はほとんど山行きでトレッキングポールを使ったことがなかったのですが、この長距離を重い荷物で歩くにはやっぱりあったほうがよかったです。渡河の時だけでなく、細い木道、バランスを取るのに助けになります。
まとめ
上記のようなことに気をつけながら、インターナショナルなトレイルを楽しみましょう!
