[オーストリア登山] Zirbitzkogelの風景

何度も高速道路から見ながら気になって仕方がなかったZirbitz(ツィルビッツ)エリア。今年こそは山歩きに行こうと、早めに計画して行ってみました。目指すはZirbitzkogel(ツィルビツコーゲル、2,396m) です。

Seetaler Alpen(ゼーターラー・アルペン)

Seetaler Alpen(ゼーターラー・アルペン)という山域は、オーストリアからクロアチアに向かって流れるMur(ムール川)沿いで、オーストリアのSteiermarkに位置しています。その最高峰がZirbitzkogel(ツィルビツコーゲル、2,396m) です。

ちなみに高速道路(S36)からこんな風に見えるのがSeetaler Alpenの山々です。稜線を歩いたら気持ち良さそうで、ずっと気になっていました。

2026/3末
2026/5末

この山々の麓は、小さいスキーリゾート(St Wolfgang am Zirbitzなど)があり、冬季はスキー、夏季はマウンテンバイクや登山で人気のエリアみたいで、実際、私が車で登っている道をたくさんの自転車愛好家たちがヒルクライムを楽しんでいました。

ちなみにMur渓谷の最高峰は、Zirbitzkogelより少しだけ高いGroßer Bösenstein(グローサー・ベーゼンシュタイン、2,448m)こっちは登ったことがありますが、Zirbitzkogel は高速道路から眺めるばかりで、今回が初。


Zirbitzkogelに登るルート

大体の稜線を歩くルートは以下のような距離感になると思います。標高1600−1700m付近に駐車場が複数あり、その場所によってルートが変わりますが、だいたい以下のようなルート設定になると思います。

距離:約10-15km
累積標高差:約600-1,000m (1700m付近の駐車場から歩き出し)
所要時間:約3-5時間

ただし、稜線上には短い区間ながらテクニカルレベルが高い(落ちたら死ぬ)場所があります。KomootなどでDifficultになっているようなルートは避けましょう。見た目は穏やかな山域ですが、やはりオーストリアの山なので。

こんな記事が参考になると思います。


登山口の駐車場まで

山道にはたくさんの自転車乗りが登っていました。みなさん1600m付近まで行くみたいでした。

オーストリアでの登山あるあるですが、GoogleMapやカーナビに山小屋や登山口の駐車場を設定しても道がないとか行き止まりとかで、現地の看板に沿って行くしかなくなり、その結果思っていたのと別のところに到着することがあります。この日がその日。行きたかった駐車場に到着できませんでしたが、大勢に変わりがないので諦めて歩くルートを変更。


登山開始、空模様は微妙

歩き始め。ちょっと怪しい雲が出ていますが、実はこの日はオーストリア全体的に大気が不安定で、ここはギリギリ嵐と晴れの境目になる場所。私の予測では、このまま雲と晴れが拮抗するか、降ってもちょっとだけで済むはず。雷さえ鳴らなければ雨は気にしないタイプなので登山開始。

少し標高をあげると景色がスウェーデンみが増してきます。北欧に通ずるような森林限界の風景。思い出すなぁKungsledenの夏。

この1箇所だけ雪渓(というかただの残雪)がありました。

どちらを眺めても似た感じの尾根が続いていて、両側の谷も同じような風景で、左右、東西南北がわからなくなってきます。

ほぼ登り詰めたところで遠くに小屋と山頂が見えてきました。

少しだけ切れた場所を歩きますがそこまでの高度感はありません。

ここまでくるとあとはのんびり稜線歩き。

ところで、尾根と稜線を混同する人がたまにいますが、尾根は山頂からふもとに向かって放射状に張り出している尾のような地形で、稜線は山頂と山頂を結ぶライン。これらは全然違うものなので、良い子は区別して使いましょう。

面白いのは、日本の登山用語にはドイツ語由来の言葉がたくさん残っているのに、尾根と稜線の区別に関してはむしろ日本語のほうが細かいこと。ドイツ語にも対応する単語はあるものの、オーストリアではそこまで厳密に使い分けていないようで、だいたい全部Gratで良いらしい。ザイテングラート(奥穂高)の語源ですかね。知らんけど。

日本語ドイツ語
尾根Rücken / Bergrücken
稜線Grat
主稜線Kamm / Bergkamm

山頂に到着すると同時に、ポツッと一滴の雨粒💧。山頂は広く穏やかな雰囲気でした。天気が良ければゆっくりMur渓谷や反対側を眺めながらバナナ食べたかったです。雨が降り出しそうだったせいか、人はゼロ。

もう少し山頂でのんびりしたかったけど、下山を開始します。雷になるような雲ではなかったものの、山で一番怖いのはやはり雷。特にこんなのっぺらぼうな稜線では逃げ場がないので、早めに降りておくことにしました。

雨雲レーダーを見ると、ウィーンはすでに大きな雷雲の真っ只中。こちらは境目ギリギリだったようで、山頂まで天気がもってくれたのはラッキーでした。とりあえずここまで天気がもったのはよかった。でもこの後、5分ほど雨に降られました。

で、ろくにルートも確認せずにぼけーーっと歩いていて似た景色に惑わされて途中で道を間違えたけど方向は合ってたのでまぁいっかとそのまま下山を継続しました。

下りはあちこちにある小さい雪解け水たまりを眺めたり、ブルーベリーの観察をしたり、小さな渡河を繰り返しながら湿原地帯を抜けていきます。

気持ち悪い植物。コレナニ。みてるだけで気持ちがゾワっとする。

湖の周りの周回は一応地形図にルートはあったのですが、あまり歩く人がいないのかトレースが消えつつあり、高山植物を踏んづけてしまいそうだったので回避。

というわけで、高速道路(S36)から見えていたあのなだらかな稜線の上を実際に歩いてみると、広々としていて森林限界より上は北欧みのある気持ちの良い山でした。

駐車場脇の山小屋と、湖畔にある気が利くベンチ。


帰りは豪雨

ちょうど下山して車を駐車場から出そうとしたところで、20kmほどの場所で落雷が検知されたとのThunder Alertを受信しました。確かに遠くの山には暗い雲がかかっています。雨雲レーダーを見ると、ものすごい大きな雷雲がLinzからLeobenまでを覆い隠す勢い。ただ、大きなだけで危険度は低そうだったのでこのまま突っ切ることにしました。

で、絵に描いたような土砂降りの雨になりましたが、雹は降らなかったので、無事に通過。

ウィーンに向きを帰ると今度はさらに北部に大きな別の入道雲がありました。

雨雲レーダーと睨めっこの時季が始まりました。

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