犯罪者かどうか

これまで、数々の悪事(?)をはたらいてきた私ですが、幸いにもまだ逮捕されたことはありません。いわゆる、完全犯罪(?)であります。でも、国外逃亡するにあたって、本当に日本で犯罪を犯したことがないかどうかは、どのように証明するのでしょうか?今回私は、世の中には、無犯罪証明書(犯罪経歴証明書)というものが存在することを知りました。

IMG_0751

Onboarding(採用過程においてOfferを受諾したら就職のために必要な書類を集めたり申請したりするプロセス)の作業項目の中に、ビザ交付関係の調整がありました。Onboardingについては、また詳しく書こうと思っているのですが、だいたい以下のような作業項目があり、それぞれに必要な作業や提出が必要な書類と期日が記載されています。UNの公募サイトで応募のプロセスの経験があれば、あのような画面ですと言えばわかるかもしれません。

Personal Information
Passport Information
Initial Relocation Information
Travel Information
Oath and Confidentiality Undertakings
Visa Information 
Required Documentation
Medical Check

どの順番で行っても良いのですが、期限はだいたいOfferを受諾してから1ヶ月程度です。私の場合、4月末に受諾してしまったのでGW中に病院にいけないなど、手続きが進められないという罠に陥りました。今日はこの中のVisaに関連する話です。

結局、いまだに何が正しいのかわからないのですが、まずはVisa担当舎にパスポートのコピーとOffer Letterを求められたので提出しました。すると、1週間ほどしてから、”We are pleased to confirm that Japanese nationals are allowed to enter Austria visa free in order to commence employment with the Agency. ”とのお知らせを受領しました。(これが、成田にてメールでは証明にならない、といわれた代物です。)

在日本国オーストリア大使館のホームページにも確かに「IAEA等の国連機関の職員になる場合は、家族も含めて無査証で入国し、現地で身分証明を受ける。」との記載があります。(2018/9/10現在)しかし、私が不安を抱いたのは、「現地で身分証明を受ける」という部分。その在留許可の申請の必要項目には、日本とオーストリアでそれぞれ容易に手に入れることができそうなものの他に、「無犯罪証明書」という記載があるのです。これは必要なんだろうか・・・?

面白そうだからもらいに行ってみよう・・・

ではなくて、本当に必要になったら困ると思ったからです、もちろん、はい。しかし、そう思ったのは、ほとんど出発目前、ギリギリ申請しても間に合うかどうかのタイミングの8月のお盆前のことでした。最後に忘れていることがないか、再確認している時に不安になったためです。タダみたいだし、念のためもらいに行くか・・・。桜田門の警視庁に初侵入も楽しみです。門の横にはお巡りさん。しかし、見向きもしてくれないので入っていって良いようです。

しかし、建物の中に入ると、受付から先にはいけないようになっています。要件を言うと、「担当者が迎えに来ますので、お待ちください。」と言われ、病院の待合室のようなところに通され、サンドウィッチマンが説明する大規模災害時の交通規制についての動画を見せられます。10分ほどして、お若い担当者の方がお迎えに来てくださって、その人の後について証明書の申請部屋に移動します。申請の目的などを説明し求めに応じて採用関連書類を見せると、「IAEAに行くんですか、すごいですね!」と言われます。たぶん、日本では、IAEAというと”査察官”というイメージが強いのだと思います。北朝鮮やイランに査察に行くと思われ、「こんなぼんやりした人が?」という疑問が顔にはっきりと出ています。大丈夫ですよ、私は査察しませんから。と心の中でお返事します。

担当の方とやりとりしながら申請書類を書いていて、ふと疑問に思い、伺いました。「こういう国連機関への勤務の関係で、この書類を申請に来る人は居ないんですか?」「そうですねぇ、聞いたことがありませんでした。」

え・・・?

「やっぱり、いらないんでしょうか?」と尋ねるも、そんなことは警視庁の知ったことではありません。でも、世の中には国連機関や関連機関に行く人ってたくさんいるでしょう?みんなどうしているんですか・・・。どうしてみんなスムーズに物事を進められるのですか・・・。どうして私は人と違うことをしてしまうのですか・・・。そんな私に対し、担当の方からさらなる注意事項の説明があります。

「この証明書は、日本国が当該国からの依頼によって作成し提出するものでありますので、不要になった場合は開封せずに日本国に返却してください。また、提出する際にほんの少しの破れがあっても受け取りを拒否する国もありますので持ち運び・取扱には細心の注意をしてください。」

ほう・・・。10日後、完成した証明をを取りに再び警視庁に行きました。出来心で申請してしまいましたが、厄介なものをもらってしまったようです。そして、こちらに来て1週間。ほとんどの手続きを終えたようですが、今の所、どの部署からもこの書類の提出を求められていません。

今、ライトに封筒を透かして見るも、中の文字までは判別できません。この書類の中で、私は犯罪者なのか、無垢の一市民であるのか、はたまた開封して観測する時までそのどちらかが確定しないのか。開封したい欲求と、私はいつまで戦い続けられるでしょうか。早く帰国して返却したい・・・

2018年10月19日追記:結局、無犯罪証明書を提出することなくLEGITIMATIONSKARTE(在留資格)が取れました。

“犯罪者かどうか” への6件の返信

  1. 開封した瞬間に,その事実が光の速度で日本の警視庁に伝わります.
    そしてそれが犯罪記録として残ります.

    1. LiLA管理人さん、流石です・・・。物理のことで戦っても勝ち目がないので、ベンゼン環を投げつけてから走って逃げたいと思います。

  2. 昔も無犯罪証明書ってありました。紙っぺら一枚に「こやつは日本国内で犯罪を犯したたことはない」って書いてあって、本人もそのまま読めました。当時(1978年頃)は単なる形式だと思ってましたが、国際テロリズムが現実となったいま、関係者全員ほんきなんですね。

    1. Gonneko先生、昔は中を見られたのですか!それを聞くと、開けたくなります。でも開くと光速で犯罪者になってしまうようで悩ましいです。大昔、スパイ小説とかテロを題材にした小説(ロバート・ラドラムとかジョン・ル・カレとか)が好きで読み漁っていたせいで、ヨーロッパの空港や街中に立つと、この中にスパイが何食わぬ顔して紛れ込んでるんだ!って思って、つい探してしまいます。見つけたことはございません。

      1. 遅ればせですが、ジョン・ル・カレとかアーサー・ヘイリーとか、英語の勉強と自分に言い聞かせつつ、よく読みました。英語力が限界に達する頃に章が変わるから、安心して読めた。その割にヴォキャブラリー増えなかってけど。ロバート・ラドラムって知らないです。

        1. Gonneko先生、え!!!英語で読まれていたのですか?!?!ジョン・ル・カレなんて、難しくないですか。私は、もちろん日本語です。ロバート・ラドラムは、私は「狂信者」が好きでしたが、「暗殺者」がとても有名です。時代が変わってしまって、このような小説を純粋にエンターテイメントとして楽しめるような世の中でなくなったなーと思いますが、それでもいまだ、その輝きがあると思っています。英語で・・・読んでみようかなと思います。

gonneko へ返信するコメントをキャンセル