昔、「本当の夜を探して – 都市の明かりは私たちから何を奪ったのか」ポール・ボガード著 という本を読みました。
私たち人類は、都市の人工照明によって、美しい星空だけでなく、自然のリズムや暗闇がもたらす豊かさまで失いつつある、というようなことを切々と書いている本です。あまりに切々となので途中で読むのを止めてしまったのですが、言わんとすることは響き、今も時々開いては閉じる本の一つです。Light Pollution(光害)という言葉を知ったのもこの本がきっかけでした。「暗さ」を保護すべき価値を見いだすなんて、それまでは考えたこともありませんでした。
子供の頃から日本の都市部に暮らし、大人になってから、登山やスノーボード、サーフィンで郊外や山奥に行っては星がたくさん見えることに心底驚きました。天の川って都会の子供には本当に存在するものであるという認識すらないものなのです。
東京や大阪ほどではありませんが、ウィーンも星の光を遮るには十分に明るい街です。しかし、オーストリアには、美しいアルプスの山々や湖の周りで大きな街がない場所も多く、星空観測には最適の先進国だと私は思っています。
なかなか深夜に1人ホテルを出て暗闇で写真撮影ってのは難しく、限られたチャンスを利用してですが、たびたび、星空観察を楽しんできました。そういう意味で仲間が居るというのは本当に大事なことです。
- Shladmingから
- Millstätter Seeでリラックス
- WeissenseeでSUPと星空観測
- Weißensee
- Turracher Höheで星空(天の川)を眺める夜
- Achenseeで夏休み – 天の川・流星・登山・SUP
- Salzburg近郊の山奥で眺める満天の星空と天の川
- Millstätter See(ミルシュテッター湖)から満天の星空と天の川
そんななか、意外に知らなかった星空観測ポイントの一つが、大好きなAttersee(アッター湖)周辺です。この地域は、夜空の暗さと光害対策への取り組みが国際的に認められ、2021年4月にオーストリア初の「International Dark Sky Park(国際ダークスカイ・パーク)」として認定されました。
この国際ダークスカイ・パークの認定は、単に星がよく見える場所だから与えられるものではありません。夜空の暗さが一定の条件を満たしていることに加え、その環境を守るための具体的な取り組みが求められます。つまり、人間の暮らしと暗い夜空の保護は、必ずしも相反するものではないのです。必要なところを適切に照らし、不必要な光を減らす。それだけでも、夜空の環境を守ることにつながるというもの。
公式情報:
https://attersee-attergau.salzkammergut.at/en/things-to-do/top-sightseeing-highlights/attersee-traunsee-star-park.html?utm_source=chatgpt.com
https://darksky.org/places/naturpark-attersee-traunsee-dark-sky-park/
認定された場所の正式名称は「Sternenpark Attersee–Traunsee」。面積は約106平方キロメートルあり、Weyregg、Schörfling、Aurach am Hongar、Altmünster、Steinbachの自治体が関わっています。
このプロジェクト(?)の目的は、
- 天の川や無数の星が見える自然の夜空を、将来の世代へ残すこと。
- もう一つは、夜行性の動物や昆虫など、暗闇に依存する生態系を守ること。
実にオーストリアに似合う取組です。(2024年にはWissenbach-Saalfeldenも追加された。)
そして、その星空を観測する重要な場所が、湖の東側に位置する Gahberg天文台(Sternwarte Gahberg) 。標高約860メートルの天文台です。行ったことがなかったので、どんな場所なのかを確認しに行ってみました。一般向けの天文台見学は、事前予約制だそうで、場所の確認だけ。
公式サイト:Astronomischer Arbeitskreis Salzkammergut
見学・予約案内:Sternwartenführung
夕刻になって、お隣のTraunseeからAtterseeに向かって車を走らせます。

残念ながらこの日は夜に雲が広がってしまう予報。このため、撮影は無しで、場所の確認にだけ向かいました。
湖畔を離れて山に登っていく途中、Atterseeが眼下に広がります。こんな場所からAtterseeを見たのは初めてでちょっと感激。

そしてたどり着いたGahberg天文台。
暗闇すぎてどこかわからんw
車のヘッドライトしか灯りがなく、ナビで示された場所近くまでは行ったはずですが、天文台の確かな場所はわかりませんでした。でも、南の山側が開けており、確かに星空、特に天の川観測には絶好の場所に思えます。素晴らしい場所。もっと早くに来たかったなぁ。

9月初めの夕方でしたが、ハイキングとSUPからの帰りで薄着だったため、車を降りて外を出歩くのは断念しました。
誰か、来年の夏、行ってください!

